スウェーデン、緩いコロナ対策の代償 死者多数、経済効果わずか
スウェーデンのコロナ対策は、ロックダウンをせず緩い規制のみで、医療崩壊を避けながらゆっくりと「集団免疫」を獲得するというものだった。最終的に経済は守られるという主張だったが、あまりにも多数の死者を出し、立案した疫学者、アンデシュ・テグネル氏が、戦略の不備を認めた。
◆死者多すぎ ゴールもほぼ見えず
現在までのところ、スウェーデンのコロナ対策で最も問題視されているのが死亡者数だ。100万人当たりの死亡者は449人で、ノルウェー45人、デンマーク100人、フィンランド58人に比べ、北欧でも突出した多さとなっている。6月2日までの7日間の移動平均でみると、死亡率はイギリスの4.48を上回る5.29で、世界で最も高くなっている(ガーディアン紙)。
テグネル氏は、死者が多すぎるのではというスウェーデンのラジオ局の質問に対し、間違いなくそうだと認め、「これまで知り得たことを知っているという前提で、同じ感染症に再度遭遇することがあれば、スウェーデンと他国が行ったことの中間の対策に落ち着くだろう」と述べた。ただ地元紙のインタビューでは、基本的戦略はうまくいったとし、当時の知識に基づけば適切な判断だった、と主張した。ステファン・ロベーン首相も、全般的なアプローチは正しかったが、死者の半分を出した介護施設の住人を守れなかったことが問題だったとしている。(同上)。