「中国のせいではない」「英雄・習主席」イメージ修正に力を入れる中国 新型肺炎
中国の習近平主席は、新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻だった湖北省武漢を訪問し、地元の医療機関や住宅街を慰問した。初期対応の遅れからウイルスを拡散させたことが国内外で批判されているだけに、国内で封じ込めの目途が立ったいま、イメージ回復に乗り出したと見られている。
◆ほぼ勝利宣言? 習主席が国内外にアピール
習主席は、湖北省と武漢はウイルス封じ込めという戦いにおいて、勝負の分かれ目となる戦場だったとし、根気強い努力により希望が見え、暫定的だが非常に重要な成果がもたらされたと述べた。勝利宣言とまではいかなかったが、国家的緊急事態からもうじき脱出するという力強いメッセージを送ることが今回の訪問の目的とニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は見ている。
習主席は封じ込めのための厳しい規制を「人民の戦い」として国民に課したが、その甲斐あって3月9日に確認された国内の感染は19件、死者も17人にまで減少している。国内の感染が収まり世界が感染拡大に苦しむこの時期に、中国は新型コロナ封じ込めの先駆者だというイメージを作ることがもう一つの狙いだと同紙は見ている。
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