世界の子どもの惨状を表す7つの数字:今、私たちにできること

バングラディッシュ / 今日食べるものを買うために、ゴミ山から売れるものを探す - モスミ(10歳) / world vision

 多くの人は世界には苦しい状況にある子どもたちがいて、そのことに心を痛めています。しかし、その窮状について知っていることは、漠然としていることも多いのではないでしょうか。

 子どもたちの窮状を表す7つの数字を知ることから、スタートしてみましょう。

1 – 貧困:世界には6億6,200万人の子どもが多次元の貧困に陥っている

カンボジアでゴミを売って生活する少年 – ペア(9歳)/ world vision

 多次元貧困とは単に所得面だけでなく、衛生状態が悪い、十分な栄養が摂れない、初等教育を受けられないなど健康、教育、生活水準で欠乏状態にあるかを示しています。

 そして、貧困の中で暮らす人々の半数が18歳未満の子どもであり、子ども全体の半数が貧困に陥っている国が35か国もあることも重要な現実です。
source : UNDP, OPHI

2 – 教育:世界では6,100万人の子どもたちが、学校へ通えない

カンボジア / 3歳から働き続ける少女 – レア(9歳)/ world vision

 私たちが当たり前に受けてきた教育を受けられない子どもが、世界には6,100万人います。学校が近くにない、先生がいない、家計が苦しいため保護者が労働を優先させて学校に行かせてもらえないなどの事情がある子どもたちです。

 ほかにも、女の子であることを理由に学校に通うことが許されなかったり、紛争や災害の影響で教育が受けられない子どももいます。

 教育は子どもたちの未来に計り知れない力を与えます。子どもは教育を受ける期間が1年延びるごとに、大人になってからの収入は約10%増加すると言われています。

source : UNICEF2017,UNICEF2016

3 – 水衛生:毎日900人以上の子どもが下痢性の病気で命を落としている

安全な水が手に入らない子どもが世界中にいます / jennygiraffe

 世界全体で21億人(世界の10人に3人)は自宅で安全な水が手に入らず、そのうちの4割は自宅外でも安全な飲み水が入手できずに生活しています。そして、毎日900人以上の子どもが下痢性の病気で5歳を迎える前に命を落としています。

 また、数十キロも離れた水汲み場所に歩かなければならない子どもたちは、学校に行く時間や子供らしく遊ぶ時間も奪われています。
source : Unicef 2017

4 – 保健と栄養:毎日1万5千人以上の子どもが5歳未満で亡くなっている

直接的・間接的な栄養不良が子どもの死因の約半数を占めています / JLwarehouse

 世界では年間560万人の子どもが、5歳になることなく命を落としています。その大半は容易で安価に予防・治療できる病気が原因ですが、それができていないのです。

 栄養問題も深刻です。子どもたちの死亡の約45%は直接的・間接的な栄養不良が原因で、世界の5歳未満の子ども4人に1人は発育阻害*であると言われています
*発育阻害:栄養不足により身体的および認知的に十分成長できず、年齢相応に背丈が伸びていないこと
source:UNICEF2017,UNICEF2016

5 – 難民:9人に1人の子どもは、武力紛争の被災国・地域で生活をしている

難民数は第二次世界大戦以降で最多 / Orlok

 2億5,000 万人の子どもたちが、武力紛争によって被災した国や地域で生活をしています。そして、約6,560万人の難民・避難民が世界を彷徨っており、そのうちの約2,800万人は子どもで命の危険を感じ、出身国や地域からの避難を余儀なくされています。

 難民問題は年々深刻になっており、第二次世界大戦以降で最多の状況です。
source:Global Trends 2016, UNHCR

6 – 児童労働:世界の子どものうち10人に1人が労働を強いられている

バングラディッシュ / ゴミ山から売れるものを探す – モスミ(10歳)/ world vision

 何らかの形で労働を強いられている子供は、世界中で1億5,200万人います。つまり、世界の子どものうち10人に1人が労働を強いられているのです。

 そして、その半数は危険を伴う仕事に従事していると言われています。
source : ILO

7 – 人身売買:人身取引の犠牲になっている子どもは600万人以上いる

 人身取引において、強制労働、強制結婚、性的搾取、臓器摘出などよる非人道的な搾取行為が行われています。人身取引で奴隷のような環境にいる人は世界に2,100万人いると推定されており、人身取引の犠牲者の約3割は子どもだと言われています。

 そして、奴隷的な扱いでの強制労働が生み出す違法利益は年間1,500億ドルに上ると計算されています。
source : ILO

◆今、私たちにできること

 様々な苦しい状況下に置かれた子どもたちのために、今私たちにできることはないのでしょうか。その一つがチャイルド・スポンサーシップへの参加です。

 世界の子どもを支援するチャイルド・スポンサーシップは、子どもの健やかな成長を中心に考えながら、子どもの住む地域全体の教育、保健衛生、水資源開発、 経済開発、農業など継続的な支援活動を約15年かけて実施し、地域の過酷な貧困の悪循環を断ち、子どもの人生を変えていきます。

ゴミ山から売れるものを探す生活の中でも、未来を諦めたくない。モスミちゃんの夢は、「洋服をつくる人」になること / World Vision

 そして、世界の子どもを支援するチャイルド・スポンサーシップに参加をすると、支援地域に住む子ども「チャイルド」との出会いが待っています。手紙でやりとりや、年に1度、チャイルドの写真つき成長報告が届くなど、心のつながりを持ちながら、支援(寄付)の成果を実感することができます。

 世界の子どもの支援は遠い世界のことで、自分の行動で何が変わるわけでもない、と思っていませんか。1日150円(月4,500円)で、あなたも世界の子どもたちを助けることができます(寄付金控除等の対象)。

 自販機で150円の飲料水を毎日買っているとしたら、それをマイボトルに変えて寄付を始めるだけで、子どもたちの未来が変わります。

Text by NewSphere 編集部