なぜ世界で新幹線が愛されるのか?海外初進出の台北、真価発揮の米テキサスなど

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安全性と輸送効率の高さを誇る日本の新幹線技術は、世界のさまざまな土地で導入または検討されている。海外進出への道を切り拓いた台湾高速鉄道の事例や、ユーロスターと並んで愛されているロンドンでのケースなど、いくつかの事例を見てみよう。

♦︎初の輸出事例、台湾

台湾高速鉄道の試運転の様子 / Encino from zhwiki / wikipedia

2007年に開業した台湾高速鉄道は、日本の新幹線方式を海外に輸出した初の事例である。開発構想が進んでいた90年代には、仏独を中心とした欧州方式が念頭に置かれていた。しかし99年に発生した大地震の影響で安全運行への関心が高まり、コスト面でも有利な新幹線方式に舵を切ることになる。

こうして完成した路線は、台北郊外の南港駅から台湾南部の高雄市までを最短1時間半で結ぶ。4時間近くかかっていた従来の特急列車と比べて大幅な時間短縮を実現した。車両には700系をカスタマイズした700T型を採用しており、最高速度は時速300キロに達する。

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Text by 青葉やまと