スマホ利用を制限したい? 子供と大人のための新しいコントロール機能

AP Photo / Marcio Jose Sanchez, File

 アップルやグーグルは、スマホを利用する時間を少なくする手助けをしたいと考えている。これは本当のことだ。例えば、あなたが午前3時にフェイスブックをチェックしたあの時のことだ。データは嘘をつかない。

 画面を見た時間を管理してくれる新しいツールを使うと、就寝時間の後に何回スマホを取り上げたか、もしくは仕事中にどのくらいの時間インスタグラムを見ていたかを(恥ずかしいことだ)知ることができる。画面を見つめる時間が、子供たちの睡眠や、宿題や運動の時間を奪っているかもしれないと心配な場合は、アップルのツールを利用して子供がどのくらいの時間デバイスを使えるかコントロールすることもできる。

 アップルのツールは、iPhone、iPad、iPod TouchのiOS12への無料アップデートの一部として9月18日より利用可能となる。グーグルのコントロールはAndroid搭載のスマートフォンPixel上でテスト中だ。

 コントロールは以下のように行われる。

◆子供のためのコントロール
 アップルの新しい子供用コントロールツールを利用すると、子供のiPadやお下がりのiPhoneなどのデバイスの使用時間を管理することができる。一度セットアップすると、親のiPhoneを通して、子供がいつデバイスを使用しているか、またどんなアプリやウェブサイトを見ているかチェックすることができる。特定のグループのアプリを制限することや、ほとんどのアプリを終了する「沈黙の時間」を設定することさえもできる。

 後者の「ダウンタイム」機能は有望である。しかしいくつかの欠点もある。まず初めに、ダウンタイムは1日1回しか設定できないため、夜遅くの使用を制限すると、学校の時間に別のダウンタイムを設定することができない。加えて、設定は1週間のうち7日間有効になるので、金曜日と月曜日が来るたびに手動で設定を変更しない限り、週末のために違った時間帯を設定することができない。

 新しい「スクリーンタイム」ツールを利用すると、エンターテインメントやゲームといった種類のアプリを利用する時間に制限を設けることができる。こちらは、週末に制限時間の設定を変更することができる。アプリごとやウェブサイトごとの制限時間も設定できるが、少々ややこしい。スクリーンタイムの設定画面で、一番上に表示されているチャートをタップすることでアプリやウェブサイトのリストにアクセスできる。アプリやサイトをタップし、下の方にある「制限時間を設定する」という表示を見つける。

 バックグラウンドで再生される音楽やポッドキャストは制限時間に加算されない。子供がiPhoneとiPadを両方持っている場合、スクリーンタイムツールは両方のデバイスの利用時間を追跡することができる。

 アプリが時間切れになったら、アイコンが暗くなり、アプリは通知を送らない。電子書籍や宿題のサイト、また緊急時のメッセージや電話などの有用なアプリはダウンタイムの制限から除外することができる。

 これらの設定はすべて、親のデバイスを使って、アップルの「ファミリー・シェアリング」の機能から行うのがよい。リモートで監視する際うまく作動しない可能性もあるが、子供のデバイスから直接制限をかけることもできる。どちらにしても、スクリーンタイム限定のパスコードが必要になる。スマホのパスコードはおそらく子供もすでに知っているから、それとは異なる番号を設定するべきだ。

 わずか数タップで、子供は時間の延長を頼むことができる。このようなリクエストを無視したり断ったりすると、スクリーンタイムは要求を繰り返させないように作られている。しかし、現時点では子供がアプリを再起動すると、もう一度リクエストすることができてしまう。

 アップルはすでに、R指定の映画や、性的に露骨な言葉を使用する成人向けのウェブサイトやポッドキャストをブロックするペアレンタル・コントロールの機能を用意しているが、設定画面がわかりにくかった。iOS12では、その機能はスクリーンタイムの一部となっている。手動でペアレンタル・コントロールをオンにしない限り、子供はR指定やNC-17(訳注:17歳以下鑑賞禁止)指定の映画にアクセスできてしまう。

 どのような制限を設定するべきか決めるために、アップルの助けを得ることはできない。実のところ、初期設定では各アプリの制限時間が0分に設定されているため、親はデフォルトでの設定を変更するのではなく、ただちに各アプリの制限時間を設定しなければならない。アップルによると、推奨される利用時間は専門家によって異なる。

 結局、スクリーンタイムについて子供と話をするのが一番良い。しかしアプリの制限をソフトウェアで行うほうが、デバイスを子供の手から取り上げるよりも簡単だろう。

◆大人のためのコントロール
 大人が使っているデバイスにも同じ制限を設けることができるが、それには自制心が必要だ。もっとインスタグラムを見たい? もちろん。タップするだけで時間を延長することができる。もし本当に助けが必要なら、友達や家族に協力してもらってスクリーンタイムのパスコードを設定し、秘密にしてもらうとよい。

 グーグルにも、デジタル・ウェルビーイングという、似たようなコントロールのツールがあるのだが、これは大人が使うことを想定している。(例えば、子供に制限をかけるときに便利なパスコードの設定ができない)この機能は現在グーグルの出しているスマホPixelでしか利用できないが、同社はPieと呼ばれる次のアンドロイドのアップデートでより広くこの機能を実装しようと計画している。

◆画面の色もコントロール可能
 他のアンドロイドの機能には、一定の時間が経ったあと、画面から色を吸い取る機能がある。このオプションは「グレースケール」と呼ばれ、全ての表示を白黒に変えるアプリである。すると画面はいくぶん魅力を失うため、ユーザーはスマホを置き、使用を控える効果がおそらくあるのだ。アップルにも同じような設定があるが、障害のあるユーザーのためのアクセシビリティの設定画面の中に埋もれている。

 グーグルとアップルの機能には、予め設定した時間に画面をセピア色に変更する機能もある。こうすることで、メラトニンを抑制し眠りに入るのを難しくするブルーライトの量を減らすことができる。

 結局今の段階では、技術的なひねりを加え、テクノロジーの魅力に抗うのを助けることしかできない。それはもっと運動し、よりよい食事をしてもっとたくさん眠りたいというのと同じことである。優先順位や規律の問題となってくる。これらのツールは、私たちを正しい方向にそっとひと押ししてくれるだけだ。

By ANICK JESDANUN, AP Technology Writer
Translated by Y.Ishida

Text by AP