一時的なサマータイム導入、ソウル五輪では国民に不満も 懸念される負の影響

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 死者を出すほどの酷暑が続く日本。2020年の東京五輪は、7月と8月という最も暑く湿度が高い時期に行われることから、対策としてサマータイムの導入が検討されていることが明らかになった。日本では戦後進駐軍の支配下にあった時期を除き、同制度が導入されたことはない。五輪という特殊事情のため行われるサマータイムの課題を、海外メディアが紹介している。

◆酷暑への切り札? 政府が導入を検討
 ブルームバーグは、この夏熱中症で日本では5万7000人以上が入院、120人以上が死亡したとし、五輪の際にはアスリートやボランティアへの深刻な影響が懸念されていると報じている。開催時期をずらすにも、テレビの放映権や他のスポーツイベントとの兼ね合いで困難だとしている。

 サマータイム導入は、マラソンなどの競技を午前中の涼しい時間に開催するため、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、以前から安倍首相に要請していたものだとロイターは伝えている。

 海外メディアの報道のソースになっているのは産経新聞の記事で、それによれば、サマータイム導入の場合、来年6月から8月の間に、試験的に時計を2時間進めるという。その後、問題点を解消し、2020年に本格導入という段取りだ。菅官房長官は会見で決定ではないと述べたが、産経の報道では、政府関係者がこの秋に法案可決を目指すと話したという。

Text by 山川 真智子