韓国、飲酒騒ぎや路上放尿などの「後進国型」軽犯罪が社会問題に
韓国ではアシアナ航空の機内食問題含め、財閥の不祥事に対して市民から厳しい目が向けられている。しかし、7月に発表された韓国当局の公表資料を見ると、今回ばかりは財閥だけを責めることはできないようだ。
忠清北道(チュンチョンプクト)地方警察庁によると、飲酒騒ぎや路上放尿などを中心としたいわゆる“後進国型”軽犯罪が4年連続で2000件以上摘発されていたことがわかった。今年3月までで既に473件摘発されており、その内容では「飲酒騒ぎ」が191件で最も多く、次いで「無賃乗車・無銭飲食」(136件)、「路上放尿」(31件)、「騒音」(28件)、「ゴミの不法投棄」(17件)、「その他違反行為」(70件)と続いた。特に「飲酒騒ぎ」は前年同期比で203.2%(128件)も増加した。
軽犯罪の摘発件数が依然として減少しない理由について、警察関係者は、「秩序維持のため生活周りの不法行為への重点的な取り締まりを強化した結果、昨年より摘発件数が少し増加した」と説明している。今年も3月末までで473件取り締まったが、昨年同期と比べて36.7%(184件)増加した。
韓国聯合ニュースは、軽犯罪が社会問題化する自国に対して「経済が発展して教育水準が高まり、市民意識は大幅に向上したが、後進国型の軽犯罪は相変わらずだ」と皮肉った。
◆代表チームに卵投げ……処罰対象か
6月末、サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会での戦いを終えて帰国した韓国代表選手らに対して、ファンが卵を投げつけるという騒動があった。卵が当たった選手はいなかったが、飛び散った黄身が選手のズボンの裾にかかるなど記者会見場は一時騒然とした。
このように「物を投げる行為」も軽犯罪に該当する。2013年に韓国の日本大使館に対して生卵を投げつけた男も軽犯罪処罰法違反として罰金3万ウォンが科せられた過去がある。
刑法に該当しない犯罪行為は軽犯罪処罰法によって厳しく規定されており、時代の変遷と共に改正されてきた。以下はその一部である。
韓国では外国人観光客などを狙ったぼったくりタクシーが問題視されているが、実は無賃乗車も多い。正当な理由なく料金を払わなかった場合は罰金5万ウォンとなる。
最も罰金の金額が高い軽犯罪行為は、実際には起きていない犯罪や災害を通報する「虚偽申告」で60万ウォンだ。いたずら目的で通報をする虚偽申告は毎年増加しており、本当に助けを必要とする市民を危険にさらす行為だとして警察関係者を悩ませている。悪質性が高ければ刑法上の公務執行妨害にあたり、5年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金に処せられる。軽犯罪だからといって甘く見ていると痛い目にあう。
前出の聯合ニュースは「些細な軽犯罪違反行為が他の重罪につながる可能性があるため、国民全体で警戒心を高めなければならない」と警鐘を鳴らしている。