佐藤輝明を「うちならどう使う?」 MLB各地で早くも補強論

とらとうはんしん / Wikimedia Commons

 阪神タイガースの佐藤輝明を、もし自分たちのチームに加えるなら――。今オフのMLB移籍の可能性が取り沙汰されるなか、アメリカやカナダの球団専門メディアで、佐藤を具体的な補強候補として検討する記事が相次いでいる。

 佐藤は今季、10月6日時点で打率.311、39本塁打、106打点を記録。MLB公式サイトも9月、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマン記者の報道をもとに、メッツ、ヤンキース、ドジャース、フィリーズが佐藤に関心を示していると伝えた。

◆「三塁の解決策」各地で具体的な補強論
 なかでも踏み込んでいるのがNBCスポーツ・フィラデルフィアだ。10月6日、フィリーズは今オフ、日本市場への進出を優先すべきだと主張。鈴木誠也と佐藤を具体的な獲得候補に挙げ、佐藤についてはアレク・ボームがFAとなった場合の長期的な三塁手候補と位置づけた。

 ヤンキース・オンSIも、打撃面で苦しむ三塁手ライアン・マクマーンに代わる候補として佐藤に注目。佐藤なら三塁を「即座にアップグレード」できる可能性があるとした。一方、ヤンキースがNPBのスター選手を大型契約で獲得したのは田中将大が最後で、実際に獲得競争を勝ち抜けるかには懐疑的な見方も示している。

 カージナルス専門サイトレッドバード・ランツも、弱点となっている三塁を埋める候補として佐藤を取り上げた。ただし、MLBでは一塁や外野に回る可能性や契約額、若手選手との兼ね合いなどを挙げ、チームの再建方針に合うかには疑問も残るとしている。

◆ブルージェイズでも獲得論、メッツでは賛否
 カナダでも同様の議論が出ている。ブルージェイズ・ラウンドテーブルは、トロント・スターのグレゴール・チザム記者がブルージェイズに鈴木と佐藤の獲得を提言したことを紹介。今季33本塁打を放った岡本和真に続き、日本からさらなる戦力を加える可能性を論じた。

 一方、メッツ周辺では評価が割れている。メッツ・オンSIは一塁の補強候補として佐藤がチームのニーズに合うと評価したが、ライジング・アップルは、一塁経験がないことや左打者の多い打線との兼ね合いから「それほど理にかなわない」と論じている。

◆「また日本人強打者を逃す?」
 さらにマリナーズ専門サイトソードー・モジョは、佐藤を魅力的な補強候補としながら、マリナーズの関心が報じられていないことを嘆き、「また日本人強打者を逃す」可能性があるとした。

 現時点では、佐藤の獲得を一様に歓迎する声ばかりではない。それでも、正式に移籍市場が動き出す前から、北米各地で佐藤を自軍の戦力構想に当てはめ、必要性や適性を論じる動きが広がっている。

Text by 白石千尋