イラン、エジプトへの歩み寄りのねらいは?
イランのアフマディネジャド大統領は5日、6日から開催されるイスラム協力機構(OIC)の首脳会議に出席するため、エジプトを訪問した。イラン大統領のエジプト訪問は、1979年のイラン革命後の国交断絶以降初めてとなる。エジプトのモルシー大統領は、カイロの空港にて、ほほにキスをしてアハマディネジャド大統領を出迎えた。
海外各紙は、今後のイラン・エジプトの関係について報じた。
【イランのねらい】
アフマディネジャド大統領は出発前、「両国の関係発展に努めたい」と意気込みを語っていたとAFPが報じている。またニューヨーク・タイムズ紙によると、イランの外相も地元メディアに対し、「エジプトは地域で非常に重要な国」、「関係強化の準備はできている」と語っていたという。実際、両大統領は、空港の特別室で関係改善やシリア内戦について語ったと報じられている。
【エジプトのジレンマ】
今回の訪問が示すように、両国間の関係は以前に比べて良好になってきている。しかし多くの専門家は、完全に友好な関係を築くことは困難であると分析している。フィナンシャル・タイムズはその要因として、シリアに対する態度の違いと、宗派の違いを挙げた。シリアに関しては、アサド大統領を支持するイランに対し、エジプトは反アサドの姿勢を明らかにしている。またシーア派が多数を占めるイランに対し、エジプトはスンニ派が多数を占める。さらにエジプトは、イスラエルとの関係維持の見返りとして、アメリカから年間数十億ドルの軍事援助を受け取っており、具体的な行動は取らないだろうと分析されている。