カナダ郵便、戸別配達終了へ 5年で400万件を集合型に
サスカチュワン州レジーナの住宅街に並ぶ「コミュニティ・メールボックス」|VO IMAGES / Shutterstock.com
カナダで郵便配達を担う国営企業が、戸別配達の廃止に向けた動きを進めている。
カナダポストは13の地域社会との協議を開始し、約13万6000件の宛先について、戸別配達から集合型郵便受け(コミュニティー・メールボックス)への切り替えに着手する。集合型郵便受けは、配達先となる複数の住宅ごとに専用スペースを備えた独立型の郵便受けだ。今後5年間で約400万件の宛先への戸別配達を終了する計画の第一歩となる。
カナダポストの広報担当者ジョン・ハミルトン氏は取材に対し、「開始から終了まで6〜9ヶ月かかる可能性があるプロセスだ」と述べ、「すぐに何かが起きるわけではない」と語った。
ハミルトン氏によると、カナダポストは都市計画担当者や地域住民と協力し、集合型郵便受けの最適な設置場所を決めるという。
同氏によると、カナダポストが現在配達している1760万件の宛先のうち、75%はすでに何らかの形の集約型配達となっている。集合型郵便受けや私書箱を利用している人もいれば、アパートやマンションに住んでいる人もいる。
ハミルトン氏は、戸別配達を廃止すれば、カナダポストは年間約4億カナダドル(約470億円)を節約できると述べた。
同社は巨額の財務損失に直面している。カナダポストは11月、2025年最初の9か月間の損失が10億カナダドル(約1200億円)を超えたと発表した。
ハミルトン氏は、配達方法の変更を理由にカナダポストが従業員を解雇することはないと述べた。「これにより郵便配達員の数は減るだろう。仕事はあるが、別の部署になる」と同氏は語った。
カナダポストは現在、約6万人を雇用している。
同社は声明で、労働組合幹部との協議を経て、戸別配達を終了する手続きが始まっていると述べた。
カナダ郵便労働組合の組合員は13日、新たな労働協約を批准するかどうかを巡る投票を開始する。
組合員は2023年11月以来、新たな労働協約がない状態が続いており、労働組合は契約交渉の期間中、2度の全国規模のストライキや一連の業務混乱を引き起こしてきた。
影響を受ける地域社会の住民の1人は、自宅への郵便配達がなくなっても問題はないと語った。
ブリティッシュコロンビア州ノースバンクーバーに住み、自宅でリモートワークをしているリアン・ビードン氏(44)は、「実際のところ、全く気にならない」と話した。「郵便配達という仕組みを維持し、カナダ国民の負担を低く抑えるためには、賢明な判断だと思う」
By JIM MORRIS Associated Press




