「愛国的報道」求めるトランプ政権、メディアに圧力 免許剥奪に言及
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説教や叱責、露骨な脅しを通じて、アメリカのドナルド・トランプ大統領とその側近は、中東での戦争を政権の望む形で報じるよう、ジャーナリストへの圧力を強めている。
トランプ氏は気に入らない記事についてSNS上で怒りをあらわにし、エアフォース・ワン(大統領専用機)内では記者を叱責した。政府の最高メディア規制機関は、放送局が「フェイクニュース」を流せば、免許を失うリスクがあると警告した。トランプ氏とピート・ヘグセス国防長官はいずれも、報道内容を理由に報道機関の愛国心に疑問を呈している。
トランプ氏は、戦争報道について具体的な事例についても、全体としても不満を示してきた。サウジアラビアの空港でイランの攻撃を受けた航空機の損傷について、報道が誇張しているとSNSへの投稿で主張した。また、イランが作成したAI生成の虚偽情報にだまされたとして「腐敗したメディア」を攻撃し、メディアはアメリカ軍がどれほど優れた成果を上げているかを「報じるのを嫌っている」と述べた。
歴代のどの政権もメディアと衝突してきた。民主主義社会でジャーナリストが監視役を担う以上、避けられない結果だ。しかし、ここ数日の出来事は、問いただされること自体への敵意を示しており、憲法修正第1条(言論・報道の自由)そのものに抵触しかねないと指摘する声もある。
◆エアフォース・ワンでの緊迫したやり取り
15日夜、フロリダからホワイトハウスへ戻る途中のエアフォース・ワン機内で記者団と面会した際、トランプ氏はABCニュースのマリアム・カーン氏の質問に異議を唱えた。質問は、先週行われた米兵遺体の送還式(ディグニファイド・トランスファー)で撮影された写真を用いた資金集めのメッセージに関するものだった。
カーン氏は機内の代表取材記者(プール記者)を務めていたが、自身がABC所属であると伝えると、トランプ氏は「おそらく地球上で最も腐敗したニュース組織だ。ひどい連中だ」と述べた。
連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員長は、サウジアラビアで攻撃を受けた航空機に関するトランプ氏のトゥルース・ソーシャルへの投稿を引き合いに出し、報道内容に注意するよう報道機関に警告した。
「デマやニュースの歪曲、いわゆるフェイクニュースを流している放送局には、免許更新の前に軌道修正する機会がある」とカー氏は週末、X(旧ツイッター)に投稿した。「法律は明確だ。放送局は公共の利益のために運営されなければならず、そうでなければ免許を失うことになる」
数十年にわたる裁判所の判断は、政府によるコンテンツ規制の試みに対して、概して報道側を支持してきた。しかしカー氏は、多くの人々が既存メディアを信頼していないため、変更を加えることがメディアにとって望ましいと述べた。
ただし、その権限は限定的だ。
FCCはCBS、NBC、ABCといったネットワーク自体を規制しているわけではない。ただし、免許更新時にこれらネットワークの個別系列局の申請を却下する権限は持つ。ケーブルニュースネットワークであるCNN、フォックス・ニュース、MSNBCはFCCの管轄外だ。カー氏がリツイートしたトランプ氏の投稿ではニューヨーク・タイムズとウォール・ストリート・ジャーナルのみが具体的に言及されていたが、FCCは新聞社に対する権限を持っていない。
憲法修正第1条を専門とするフロイド・エイブラムス弁護士は16日のインタビューで、カー氏が反対する戦争報道を理由にテレビ系列局を罰することは、法に抵触する可能性が高いと指摘した。
「放送メディアは、新聞にはない種類のリスクに常にさらされている。しかし根本的には、憲法修正第1条によって守られている」とエイブラムス氏は語る。「委員長によるこれらの発言は、憲法修正第1条の利益と原則を直接脅かしているように思える」
エイブラムス氏は、精力的な戦争報道こそが、テレビ局が免許を正当化するために果たすべき公共の利益にかなう活動だと主張する考えを示した。
カー氏の動機は威嚇である可能性がある。そしてそれは単に報道機関に手加減させることだけを意味しないと、元CNNペンタゴン担当記者のバーバラ・スター氏は指摘する。「問題は彼らが生み出す空気だ。人々が記者と話すことを恐れるようになるのではないか。そうなれば深刻な事態だ」と述べた。
◆「愛国的」報道に求められるもの
トランプ氏はSNSで、カー氏が「極めて腐敗し、極めて非愛国的な『ニュース』組織」の免許を調査していることに満足していると述べた。こうした動きは16日、フォックス・ニュースの有力な朝番組『フォックス・アンド・フレンド』の司会者らによって支持された。
「大統領は、真実を伝えず、起きていることについて非常に否定的な他のネットワークの報道はもう十分だと言っている」と、フォックスのエインズリー・エアハート氏は具体的な社名を挙げずに語った。「これは親アメリカ的な戦いであり、すべてのネットワークがそれに加わる必要がある」
ヘグセス国防長官は、直近のペンタゴンでの戦況説明で特にCNNを攻撃した。同氏の下で、ほとんどの既存メディアは、活動を制限するとされる新たな規則に同意しなかったため、ペンタゴン記者室の定位置から排除された。排除された報道機関の記者の一部は説明会への出席を許されているが、ヘグセス氏が彼らの質問を受けることはほとんどない。理由の説明もなく、スチール写真家(カメラマン)の説明会への立ち入りも禁止された。
世界の石油供給に対するイランの攻撃に政権が備えていなかったとするCNNの記事について、ヘグセス氏は馬鹿げていると一蹴した。また、「愛国的な報道機関」が画面上で用いるべき見出し案を自ら示した。
「デイヴィッド・エリソン氏が早くあのネットワーク(CNN)を掌握すればいい」とヘグセス氏は、CNNの親会社となる見込みのパラマウント・グローバルのトップに言及した。政権側は、この買収によってトランプ氏に有利な報道が増えることを期待している。
CNNのマーク・トンプソン最高経営責任者は、自社の報道を支持する姿勢を示した。「政治家が、自らの決定に疑問を呈するジャーナリズムを虚偽だと主張する動機は明らかだ」と同氏は述べた。「CNNの唯一の関心は、アメリカおよび世界の視聴者に真実を伝えることであり、いかなる政治的な侮辱や脅しによってもそれは変わらない」
現在はペンタゴン担当を引退したスター氏は、現政権下でアクセスが制限され敵意が向けられているにもかかわらず、ジャーナリストが継続的にスクープを出し続けていると指摘する。
「それはこれまでも同じだ。威嚇の度合いは確実に強まっているが、それに応じて憲法修正第1条と質の高いジャーナリズムへのコミットメントも一層高まっている」と同氏は語った。
By DAVID BAUDER AP Media Writer




