MLB:長身打者の難しい「ゾーン」判定、ロボット審判で一貫性 ジャッジ「使うタイミング見極める」

ヤンキースのアーロン・ジャッジ(2021年8月28日)|Conor P. Fitzgerald / Shutterstock.com

 サンフランシスコ・ジャイアンツの新人、ブライス・エルドリッジの身長は「6フィート7インチ(約201センチ)強」と記録されたという。メジャーリーグの自動ボール・ストライク判定システム(ABS)で用いられる、この強打者の測定値だ。

 つまり非常に広いストライクゾーンになる。ただし少なくとも、より明確に定義されたゾーンでもある。

 「これまで測定された野手の中で一番背が高いと言われたと思う」と、エルドリッジは春季キャンプ中に語った。「だから少なくとも、その点では有利だ。自分には一番大きいゾーンがあるし、ABSでも一番大きいゾーンになる」

 マイナーリーグで数年にわたり試験運用されてきたボール・ストライク判定のレビュー用ロボット審判システムが、今年からメジャーリーグのレギュラーシーズンで導入される。システムの略称はABSだが、この変化において重要なのは「SIZE(サイズ)」という言葉かもしれない。球界屈指の長身選手たちのストライクゾーンに関わるからだ。

 「審判や、本塁後方で彼らがしている仕事には大きな敬意を払っている」と、ニューヨーク・ヤンキースの強打者アーロン・ジャッジは言う。「彼らの仕事はとても大変だ。だから普段は、審判を困らせたり大げさなリアクションをしたりしないよう心掛けている。だから様子を見ていくつもりだ。使うべきタイミングを見極めたい。もしあまりにもひどい判定があれば、使うと思う」

 身長6フィート7インチで、昨年3度目のアメリカンリーグMVPを受賞したジャッジは、自分よりも、6フィート5インチ(約196センチ)のチームメイト、ジャンカルロ・スタントンへの影響により期待しているようだった。

 「彼はキャリアを通じて、ある意味で判定に苦しめられてきた。そして今、これがすべてを変えるかもしれない」とジャッジは語る。「彼はルーチンを大切にするタイプで、良い判定でも悪い判定でも、とにかく忘れて次の球に集中する。でもこれからは、チャレンジするかどうかを2秒で決めないといけない」

 ストライクゾーンは打者の身長によって異なる。上端は身長の53.5%、下端は27%の位置と定められている。ピッツバーグ・パイレーツの中堅手オニール・クルーズ(6フィート7インチ)やワシントン・ナショナルズの左翼手ジェームズ・ウッド(6フィート6インチ)らを含む球界屈指の長身選手たちにとって、ゾーンの上端と下端は長年、審判にとって難しい判定ポイントだった。

 しかしABSシステムは、判定をより正確に確認できる。

 各チームは1試合につき2回まで判定にチャレンジできる。成功すればチャレンジ権は保持される。ビデオ判定の規定と同様の仕組みだ。9回終了時点で同点となり、その時点でチャレンジ権を使い切っている場合は、延長イニングごとに1回の追加チャレンジが認められる。

 チャレンジできるのは打者、投手、捕手に限られ、ヘルメットや帽子を叩いて合図する。ダグアウトからの指示は認められない。

 「特にアーロン・ジャッジの場合、背が高いからストライクゾーンも他の選手より高い位置にある」とシカゴ・カブスの捕手カーソン・ケリーは言う。「膝元で捕球して普通のストライクに感じても、彼にとっては低めでボールになることがある。だから捕手としては、打席に立っている打者やゾーンの形を理解しなければならない。小柄な打者なら、ゾーン上部のストライクに思える球でも、おそらくボールになる」

 マイナーリーグでABSを経験している21歳のエルドリッジは、このシステムは野球にとって良いものだと考えている。

 「昨年、9回に2点ビハインドの場面で見逃し三振に倒れたことがあった」とエルドリッジは振り返る。「チャレンジしたらボールに覆って、その次の球か何かで同点ホームランを打ったんだ。このシステムがあれば、試合の流れが一瞬で変わる。とてもクールだと思う」

By JAY COHEN AP Baseball Writer

Text by AP