米では「トランプチ」使わない 中国自動車メーカー、ブランド名変更へ
中国の自動車メーカー、GACは来年アメリカ市場に進出する際、中国で使用しているブランド名を変更するという。その名が、ドナルド・トランプ大統領の姓と混同される恐れがあるためだ。
過去8年間、GACは中国市場で「トランプチ」というブランドの乗用車やSUV車を販売してきた。しかし、2019年の第4四半期にアメリカで新製品を発売開始するにあたり、今は新たなブランド名を探求している。
GACエンジニアリング・インスティテュート・チャイナの王秋静社長は、デトロイトで開催された自動車ショーでインタビューに応じ、「我々はアメリカの顧客に最高のサービスを提供したいので、政治と密接にかかわりたくない」と通訳を通して話した。「だからこそ、ブランド名を変更したいのだ」。
GACがブランドの中国名をトランプチと決めたのは2010年のこと。トランプ大統領が選出されるはるか以前だ。トランプ氏の名に似てしまったのは、単なる偶然だと王氏はいう。GACは今後も中国国内ではこれまで通り、伝説と幸運を意味する「トランプチ」のブランド名を使用していくという。
GACがアメリカでまず販売開始するのは、GS8というハイエンドでフルサイズのSUVだ。価格は約3万5000ドル(約381万円)になる予定だ。他にも2つの車種がアメリカでの販売に向け研究中だが、まだ決定までには至っていない。
同社の動画では、7種のモデルが公開され、デトロイトのショーではさらに2つのモデルが発表された。1つはガルウィング型のコンパクト電気SUV「エンバージ(Enverge)」で、まだ構想段階にある。同自動車メーカーによると、一回のチャージで370マイル(約592キロメートル)走行する。そしてもう1つが、GA4というミディアムサイズのセダンで、中国では今月末に発売される予定だ。
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