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ノーベル賞「受賞者数が多い国」トップ20──圧倒的1位は? 日本は何位

Goran Of Sweden / Shutterstock.com

ノーベル賞の受賞者数は、国の歴史や研究環境、移民の動きなどが重なり合って形づくられている。本記事では、国別の受賞者数の多い順で20位から1位までをハイライトで紹介する。個人と団体を含み、複数国籍・複数所属は各国で重複計上するルールとする。それぞれの国らしさや分野ごとの強み、海を越えた人材の往還が見せてくれるストーリーにも注目したい。

◆同率20位 ベルギー(11)

フランソワ・アングレール氏(2013年物理学賞)|Bengt Nyman / Wikimedia Commons

ベルギーは小国ながら、多彩な分野でノーベル賞人材を輩出してきた。文学では象徴主義のマーテルリンク、平和では国際平和運動を牽引したアンリ・ラ・フォンテーヌが名を刻む。生命科学では、ボルデが補体の本態を示し免疫学の礎を築き、ヘイマンスが頸動脈小体などの働きから呼吸調節の仕組みを明らかにし、ド・デューヴとクロードが細胞内小器官の世界を切り開いた。

化学ではプリゴジンが非平衡熱力学と散逸構造で複雑系研究を押し広げ、現代物理ではエングレールがヒッグス機構の理論で標準模型に決定的な一歩を与えた。ブリュッセルやルーヴァンに根づく研究基盤、国際都市としての開放性が、学術から平和運動、演劇に至るまで「越境」の伝統を育んでいる。

◆同率20位 南アフリカ(11)

ネルソン・マンデラ氏(1993年平和賞)|Alessia Pierdomenico / Shutterstock.com

南アフリカは、反アパルトヘイト運動の歴史と学術研究の蓄積がノーベル賞の顔ぶれに色濃く映る。平和賞ではルツーリ、ツツ、マンデラ、デクラークらが、体制転換の道筋と和解の精神を世界に示した。文学ではゴーディマーとコーツィーが多言語・多文化社会の矛盾を描き、人文学の厚みを示した。

生命科学・化学では、CTの原理を切り開いたコーマック、分子生物学を牽引したブレナー、構造生物学を進化させたクルーグや理論・計算化学で活躍したレビットら、南アフリカに根を持ちながら国外で研鑽を積んだ研究者も目立つ。こうした「国内の社会的経験」と「国際的な研究移動」の交差が、同国の受賞史を特徴づけている。

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Text by 切川鶴次郎