古代ワニの骨をくわえた新種恐竜、アルゼンチンで発見 メガラプトル類の空白を埋める
新発見された恐竜ホアキンラプトル・カサリが、古代のワニの近縁種の前脚を口にくわえている様子|
Andrew McAfee, Carnegie Museum of Natural History via AP
科学者らは、アルゼンチンで強力なかぎ爪を持ち、古代のワニの骨を食べていた新種の恐竜を発見した。
この新標本は全長約7メートル(約23フィート)とみられ、「メガラプトル類」と呼ばれる謎の多い恐竜の一群に属するという。彼らは現在の南アメリカ、オーストラリア、アジアの一部を徘徊し、数百万年のあいだにさまざまな種へと枝分かれした。
発見チームの一員であるパタゴニア地質・古生物学研究所のルシオ・イビリク氏は、メガラプトル類は細長い頭蓋骨と「巨大で非常に強力なかぎ爪」で知られていると述べる。
しかし、これらの生物がどのように狩りをし、進化の系統樹のどこに位置づくのかは、依然として明確ではない。主な理由は、これまでに回収された化石が不完全だったためである。
新たな研究で、研究者らはパタゴニアのラゴ・コルウェ・ウアピ層から、頭蓋骨の一部に加えて腕・脚・尾の骨を発掘した。骨には独特の特徴が見つかり、新種である可能性が示唆されたという。
メガラプトル類の最新メンバーとして命名されたホアキンラプトル・カサリ(Joaquinraptor casali)は、「これまでで最も完全な骨格の一つを提供し、大きな空白を埋める」と、アルゼンチン国立ベルナルディーノ・リバダビア自然科学博物館のフェデリコ・アグノリン氏は電子メールで述べた。同氏は今回の研究には関与していない。研究論文は23日に学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。
この生物はおよそ6600万年から7000万年前、恐竜が絶滅した時期に近い時代に生きており、死亡時の年齢は少なくとも19年だったとみられるが、死因は分かっていない。
あごに押し付けられるように見つかった前脚の骨は、古代のワニの親類に属する動物のもので、食性や、湿潤な先史時代の氾濫原で頂点捕食者だったかどうかを示す手がかりになりうる。
イビリク氏は、息子のホアキン君を偲んでこの新種の恐竜を名付けた。ホアキン君は非常に幼く、まだ恐竜への強い関心を持つには至っていなかったが、それでも自分の名前が恐竜に付けられたことを喜んでくれただろうとイビリク氏は考えている。
「子供はみんな恐竜が大好きですから、彼もきっとファンになったでしょう」と語った。
By ADITHI RAMAKRISHNAN AP Science Writer




