「私生活監視に悪用されれば恐ろしい」 中国が開発した蚊サイズのドローン
画像はイメージ( Toshiyuki IMAI / Flickr )
中国の国防科技大学(NUDT)のロボット研究室が、蚊とほぼ同じ大きさの極小型ドローンを開発したことを明らかにしました。
蚊サイズの中国ドローン
主に偵察や監視といった秘密任務を想定しており、中国が軍事分野でマイクロロボティクスに力を注いでいる実態がうかがえます。
この件は、The Financial Expressなどの複数メディアが伝えています。
NUDTの成果は中国国営の軍事チャンネルCCTV7で紹介されました。番組では、ヒト型ロボットから肉眼ではほとんど見分けがつかない極小ドローンまで、幅広い研究開発の一端が披露されています。
出演した同大学の学生リャン・ヘシアン氏は、指先に収まるドローンを掲げながら「これは蚊のようなロボットです。極小のバイオニックロボットは、情報偵察や戦場での特殊任務に特に適しています」とSouth China Morning Postに語っています。
公開された試作機は硬貨ほどの大きさで、電源システムやセンサー、カメラ、通信モジュールに加え、精密な飛行制御装置を内蔵しています。
さらに、一部のモデルはスマートフォンで操作が可能で、実戦環境に即応できる点が強調されています。
今回の発表は、中国が推し進める先端軍事ロボット研究の流れを示すものです。
近年は、自重の3,000倍の衝撃に耐え、155ミリりゅう弾砲から発射できる無人機の存在も報告されており、大型装備から小型・適応型ロボットへのシフトが一層鮮明になっています。
一方で、世界各国でも小型ドローンの研究開発は進められており、すでにノルウェー製の「ブラックホーネット」が米軍やNATOで実用化されている例もあります。
こうした流れは軍事や科学分野での応用に向けた取り組みとして広がっています。
この件に対し世間では、「中国は世界で最も技術的に進んだ国だ」「驚くべき発明だ」といった称賛の声が上がる一方で、「実際にはバッテリー持続時間に限界があるのではないか」「軍事以外の私生活監視に悪用されれば恐ろしい」といった懐疑的な見方も聞かれました。




