日本人グループ初の快挙、BABYMETALの最新アルバム『METAL FORTH』全米9位
ユニバーサル ミュージック合同会社
アイドルとメタルの融合をテーマに結成された3人組メタル・ダンスユニット「BABYMETAL(ベビーメタル)」の最新アルバム『METAL FORTH』が、23日付の「ビルボード200(全米総合アルバムチャート)」で初登場9位にランクインした。日本人グループとしては初のトップ10入りという快挙だ。結成から15年を経て、世界的に活躍する日本人アーティストの筆頭として強い存在感を示している。
◆可愛いメタルが世界へ 歴史的偉業達成
『METAL FORTH』は発売初週で2億回を超えるストリーミング再生数を記録した。全米のみならず国際的にも大きな反響を呼び、日本のオリコン総合アルバムチャートで3位、ドイツでトップ10入り、イギリスでトップ20入り、フランスやオランダでも過去最高位を記録している(音楽サイト『メタル・インジェクション』)。
フォーブス誌は、典型的なメタルバンドの編成にJポップの様式や曲作りを融合させた「可愛いメタル」を開拓したのがBABYMETALだと説明。当初はリスクを伴う挑戦と受け止められていたが、今では世界中の注目を集めていると述べる。今回のアルバムの成功は、彼女たちが歴史的な高みに到達する後押しになると分析している。
◆幅を広げた? 魅力が薄れた? コラボに賛否
今回のアルバムの特徴は、ゲスト・アーティストとの大規模なコラボレーションだ。全10曲中7曲がコラボ作品で、トム・モレロ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)、エレクトリック・コールボーイ、ポピー、ブラディウッドら世界各地のアーティストをフィーチャーしている。エンタメ誌ペースト・マガジンは、この形態を「BABYMETALと仲間たち」と表現しつつ、共演によって彼女たちの幅を示しながら圧倒的にハードなサウンドを描き出すことに成功していると評価した。
一方、音楽総合サイトNMEは、一部の楽曲には各アーティストの持ち味が生きている反面、他のトラックには「やや無理を感じる」とし、BABYMETALらしい個性が薄れていると指摘。しかし彼女たちが15年にわたって培ってきた「遊び心」や「強烈なインストゥルメンタル」は依然として健在であり、今回のアルバムがさらなる高みへ向かうプロローグになっているとも評価している。
◆CDバカ売れ! チャート上昇に貢献
米公共ラジオ(NPR)によると、『METAL FORTH』の売り上げの大部分は物理的な販売によるもので、これが9位ランクインの大きな要因となった。ビルボード200はCDなど単価の高いアイテムの売り上げが重要で、『METAL FORTH』は15種類のビニール盤、6種類のCD、3種類のカセットを展開。音楽ジャーナリストのジェフ・ベンジャミン氏によれば、すでに3万6500枚以上を売り上げており、ストリーミング時代ではかなりの数字だという。
BABYMETALはこれまで海外ツアーやフェス出演を精力的に行い、5月にはロンドンのO2アリーナで日本人初の単独ライブを開催。2万人収容の会場を満員にし、チケットも完売した。直近では北米ツアーを終え、現在はアジア公演を実施中。この秋にはロサンゼルスで最大規模のヘッドライン・アリーナ公演を予定しており、さらなる活躍が注目されている。




