「交尾時に精子をメスに渡す器官の大きさが頭胸部の約4倍」 新種のタランチュラ
画像はイメージ(John Fowler / Flickr )
アラビア半島とアフリカ東部で、新属となる4種のタランチュラが発見されました。
【動画】「史上最長の繁殖用パーツを手に入れた」新種のタランチュラ
この研究成果は、国際学術誌『ZooKeys』に掲載されました。
新種のタランチュラ
確認されたのは、サウジアラビアの「サティレックス・アラビクス」、オマーンの「サティレックス・フェロクス」、ソマリランドの「サティレックス・スペキオスス」、ソマリアの「サティレックス・ソマリクス」の4種。
いずれも新たに設立された属「サティレックス」に分類されました。
属名は、ギリシャ神話の半人半獣で大型の触肢を持つとされる「サテュロス(Satyr)」と、ラテン語で王を意味する「レックス(rex)」を組み合わせたものです。
最大種のサティレックス・フェロクスは脚を広げた大きさが約14㎝に達し、オスの触肢は最大全長5㎝と、頭胸部の約4倍に及びます。
触肢は交尾時に精子をメスに渡す器官で、その長さによって攻撃的なメスから距離を保ち、捕食される危険を減らす可能性があると考えられています。
他の3種では、サティレックス・アラビクスとサティレックス・ソマリクスは生息地にちなんで命名され、サティレックス・スペキオススは鮮やかな体色が由来です。
また、この属には1903年にイエメンで記載され、以前は別属に分類されていたサティレックス・ロンギマヌスも含まれます。
従来属の触肢が頭胸部の1.5〜2倍程度であるのに対し、サティレックス属ではそれを大きく超える長さを持つことが、新属とされた要因のひとつとなりました。
この発見をめぐり、ネット上では「メスに食べられないために、オスタランチュラが史上最長の繁殖用パーツを手に入れたんだね」などの反応が上がっています。




