コスト削減策?もしくは政略? エア・インディア、国内線機内食で肉料理を廃止
著:Rezwan(Regional Editor for South Asia, Global Voices)
インドのナショナル・フラッグ・キャリアであり3番目に大きい航空会社「エア・インディア」が先日、国内線で非ベジタリアン機内食を廃止すると発表し、大きなニュースになっている 。
エア・インディアはいま約5,500億インドルピー(約9,500億円)の債務を抱えていて、この動きはコスト削減策の一環として行われると報道されている。2015年12月には短距離(90分以内)路線での非ベジタリアン食廃止が決まっていた。
インドにいる約10億人のヒンズー教徒が全員ベジタリアンだと思われがちだが、実はそうでない。インド戸籍本署長官による2014年のSRSベースライン調査によると、15歳以上のインド人のうち71パーセントはベジタリアンでない。
インドでは今ヒンズー・ナショナリズムが台頭しているため、この発表は肉食の少数民族に圧力をかけている。よって、エア・インディアの決定について賛否両論あった。
バンガロール拠点のシェフ・作家であるマドゥ・メノン氏は、こうツイートした:
Only veg food on Air India.
Next, flight attendants to speak only Hindi.
After that, stand for national anthem before flight take-off. #BMKJ— Madhu Menon (@madmanweb) July 10, 2017
「エア・インディア、ベジタリアン食のみに。次は、客室乗務員の使用言語はヒンディー語のみになる。その後は、離陸後に国歌斉唱の起立(を義務付けられるだろう)。」
他にも非難の声があった:
Will the decision to avoid non veg meal help Air India ??people are fine with bad service & flight delays only if they get pure veg meal ??
— K (@ksrd18) July 10, 2017
「非ベジタリアン食をなくす決定はエア・インディアを本当に助けるの??ベジタリアン食が出れば人々は悪いサービスや遅延を許すとでも??」
クリシュ・アショク氏やナムラタ氏、Dr. サンギータなどの人々はエア・インディアを擁護した:
Simple business sense suggests that any loss making entity should attempt to optimise and cut costs & more food options = more cost.
— Krish Ashok (@krishashok) July 10, 2017
「エア・インディアが国内線の機内食をベジタリアン・オンリーにする決定になんで人々が怒っているのかわからない。」
「損失の出ている会社が効率化を図ってコストを削減するのは経営上理にかなっている&何種類もの食事はコストがかかる」
Lol! People are outraged about Air India scrapping non veg food for domestic economy? Which other domestic airline offers any free food?
— Namrata (@_Namrataa) July 10, 2017
「LOL! エア・インディアが国内線で非ベジタリアン食をなくすことに人々は怒っているの?他の国内航空会社と違って食事が有料じゃないじゃん」
#Air India. It's a good idea to eat only veg food in flight…No argument..why people have objection? pic.twitter.com/LC3mmO30PD
— Dr.Sangeeta.MD,PhD (@SangeetaGawali) July 11, 2017
「#エア・インディア フライトでベジタリアン食オンリーは良いアイディアだ…議論の余地もない…なんで人々は反対してるの?」
詩人・ジャーナリストのプリティッシュ・ナンディーはよりニュアンスのかかった見解を示した:
I suspect veg meals on Air India is not a commercial decision. It smells political. Good news is less animals killed. Saves the world.
— Pritish Nandy (@PritishNandy) July 11, 2017
「エア・インディアのベジタリアン食は経営上の決定ではないと思う。政治的な匂いがするな。殺される動物が減るのは良いことだけど。世界を救うね。」
バルガブ・タントリーはフェースブックでこのような比較をした:
「エア・インディアは短距離国内線でもまともな食事を出してくれるけど、アメリカではまともな有料食さえ与えられない、ましてや食事なんて、アメリカで聞いたことない。」
他の人々は楽観的でなかった:
Pl don't sell Air India. Who'll give us such gems of idiocy then? Ban chicken to cut waste, mixing non-veg with veg https://t.co/ec3MTLDCAb
— Shekhar Gupta (@ShekharGupta) July 10, 2017
「エア・インディアを売却しちゃダメ。他こんな馬鹿げたことをしてくれるのいないじゃん?鶏肉を廃止して廃棄物を減らし、非ベジタリアン食をベジタリアン食と混ぜれば」
@jayantsinha air India decision to b pure veg shd b changed immediately or else we will stop flying it! It's has 2 match int standards
— Prateek Mathur (@advprateekmathu) July 11, 2017
「エア・インディアのベジタリアンのみにする決定はすぐ変えるべき、そうしなかったら私たちはもう乗らない!国際基準にあわなきゃダメ」
Air India is an arm of the state, within the meaning of Article 12 of the Constitution. It cannot discriminate or act arbitrarily.
— Manish (@jimanish) July 10, 2017
「エア・インディアは国家の一機関である、すなわち憲法第12条に従う責任がある。差別をしたり、恣意的に行動してはならない。」
Present government has discontinued non veg food in air india economy class….no justification given…another act of moral policing…
— kunal chatterji (@kunal2087) June 23, 2017
「現政権がエア・インディアで非ベジタリアン食を廃止した…なんの正当性も与えられてない…また道徳警察か…」
エア・インディアの役員によると、国内線および国際線のケータリングに毎年40億インドルピー(約70億円)かかるという。この取り組みは、債務に苦しんでいるエア・インディアにとって毎年8千万ルピー(約1.4億円)の節約となる。
このような動きが航空会社の経営を改善できるか、見所だ。
This article was originally published on Global Voices. Read the original article.
Translated by Masaru Urano