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ほぼ全国民が「日本好き」!? 親日国ランキング、20の国と地域を調査

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 電通が実施した「ジャパンブランド調査2019」において、親日度(日本に対する好意度)のランキングが明らかになった。20の国と地域を対象として各国300人以上に日本への印象を尋ね、「とても好き」「好き」と回答した人の割合をもとにランキング化したものだ。結果はアジアからの高い人気がうかがえる内容となった。気になる1位はどこだろうか?

◆20位:韓国(「とても好き」「好き」と答えた割合:58.7%)

Nattee Chalermtiragool / Shutterstock.com

 今回の調査で韓国は20カ国・地域中20位と、日本への好意度が最も低かった。背景には、1910〜45年の植民地支配をめぐる歴史認識、元徴用工判決や慰安婦問題など、過去をめぐる対立が長く尾を引いてきた事情がある。とくに2018年末から2019年にかけては、輸出管理強化を発端に日韓の貿易摩擦が激化し、韓国で不買運動「ノー・ジャパン」が広がるなど、対日感情が冷え込みやすい局面だった。

 その一方で、旅行や食、サブカルチャーを通じた往来は途切れておらず、若年層ほど日本に好意的という世代差も指摘される。近年は外交改善や消費面での「イエス・ジャパン」回帰が報じられるなど、対日感情は固定的ではなく揺れ動く。

◆19位:ドイツ(64.0%)

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 ドイツは調査対象20カ国・地域のうち19位で、日本への好意度は下位グループに位置する。ただ、否定的というより「関心はあるが熱量は中程度」という距離感がにじむ結果だ。背景には、地理的・文化的な隔たりに加え、日常の接点がアジア諸国ほど多くない事情がある。

 一方で、ドイツでは日本の製造業や技術力、品質への評価は根強く、自動車や精密機器といった分野で「信頼できる国」というイメージが形成されてきた。文化面でも、マンガやアニメ、和食、禅や武道などが都市部を中心に定着し、訪日旅行の動機にもなっている。さらに両国は第二次世界大戦後に平和国家として再出発した共通経験を持ち、規律や勤勉さへの共感が好意の土台になっている。総じてドイツの対日感情は、派手な親近感よりも、静かな尊敬と関心が積み重なったタイプだと言える。

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Text by 青葉やまと