「野生環境に特有」 イカの体内から見つかった新種のサナダムシ

画像はイメージ( Michael Goodine / Flickr

沖縄近海で採取された野生のアオリイカから、これまで知られていなかった2種類のサナダムシが見つかりました。

【画像】「養殖イカでは見られない」イカの体内にいた新種のサナダムシ

沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームが発見し、国際学術誌『Journal of Invertebrate Pathology』に掲載されています。

イカの体内で発見された新種の生き物

そのうち1種は新種と認定され、「Nybelinia enterika(ニベリニア・エンテリカ)」と命名。

日本語の“イカ”と“腸”を組み合わせ、「イカチュウチュウ」というユニークな和名も提案されています。

サナダムシはいずれもアオリイカの消化管内に生息しており、他の臓器には確認されていませんでした。

養殖イカでは見られないことから、野生環境特有の寄生であると考えられています。

研究チームは、これらの寄生虫がイカの免疫反応を回避する酵素を出している可能性にも注目しています。

人への健康リスクは不明ですが、アレルギーを引き起こす可能性も指摘されており、今後の研究に注目が集まっています。

Text by 浅田 一