世界MBAランキング2016 トップ7を独占するアメリカと苦戦するアジア
ビジネスシーンでよく耳にするMBA。MBAとは、Master of Business Administrationの略で経営学修士を表すものだが、就職後のタイミングで取得するビジネスマンが多い印象があるのではないだろうか。そんなMBAトップ校ランキングの2016年版がエコノミストによって発表された。このランキングは、MBAの中でもフルタイムMBAのみを調査対象としている。
2016年は第1位から第7位まで全てアメリカの学校が独占しており、第1位はシカゴ大学ブース校、第2位はノースウェスタン大学ケロッグ校、第3位はバージニア大学ダーデン校となっている。昨年に比べ第1位のシカゴ大学以外は順位の変動が激しいが、トップ20に入る大学の顔ぶれに違いは一切なかった。
トップ2校の概要を簡単に説明すると、2年連続第1位についたシカゴ大学ブース校はカリキュラムの柔軟性が特徴的であり、リーダーシップ育成プログラムのLEADのみ全員必修となっている。柔軟性を活かし、様々なバックグラウンドや角度から考え、アイデアを創出することに重きを置いているプログラムである。次席のノースウェスタン大学ケロッグ校は、特にマーケティングの分野において秀でていることで有名なビジネススクールであり、傾向としてチームワークや協働を重視するようだ。マッキンゼー・アンド・カンパニーなどトップコンサルティングファームへの輩出人数の多さも特徴的である。
2016年にトップ10入りしたアメリカ以外の学校は3校で、第8位にスペインのナバラ大学、第9位にフランスのHEC、第10位にオーストラリアのクイーンズランド大学ビジネススクールがランクインした。トップ20で見ても、アメリカ、フランス、スペイン、イギリス、オーストラリアと欧米諸国の学校が圧倒的プレゼンスを持っている。トップ100になると、アジア圏の大学は6校ランクインしているが、日本の大学で調査対象になったのは新潟県にある国際大学1校のみに留まり、トップ100のランク外であった。
エコノミストのMBAランキングでは、生徒に自身の所属するビジネススクールを幾つかの要因について評価してもらう。また、それぞれの要因をどれだけ生徒自身が重視しているかでその要因の比重が決められており、新しいキャリアへの機会が35%、自己成長・教育体験が同じく35%、収入の増加が20%、人的ネットワークの潜在性が10%で構成されている。
日本で知名度の高いMBA校のハーバード・ビジネス・スクールは4位、スタンフォード大学は5位と、トップ3を逃した。2016年度のランキングでは、ハーバード大学もスタンフォード大学も卒業生の幅の広さ、MBA取得前と比較した収入増加の割合で特にランキングが80-90位台と低く、スタンフォード大学はそれに加えてキャリアサービスを通じて就職した人の割合も97位と低かったことが影響しているようだ。
最後に2016年のトップ10のフルタイムMBAランキングを紹介する。
1. シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス(アメリカ)
2. ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント(アメリカ)
3. バージニア大学ダーデンビジネススクール(アメリカ)
4. ハーバード・ビジネス・スクール(アメリカ)
5. スタンフォード大学経営大学院(アメリカ)
6. ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネス(アメリカ)
7. カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス(アメリカ)
8. ナバーラ大学イエセビジネススクール(スペイン)
9. HEC経営大学院(フランス)
10. クイーンズランド大学ビジネススクール(オーストラリア)
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