八丈島沖で未知の生命体発見! 筑波大、世界初の“鞭毛持ちエンドミクサ”を報告

画像はイメージ(Seiya Ishibashi/ Flickr

筑波大学の研究チームが、東京都・八丈島沖で採取した海水から、これまでに知られていなかった新種の単細胞生物を発見しました。

【画像】常に“鞭毛”を持つ不思議な新種 エンドミクサの常識を覆す発見

筑波大学が発見した新種の単細胞生物

研究成果は、微生物学専門誌『Protist』に掲載されています。

この生物は常に鞭毛(べんもう)を持つという珍しい特徴をもち、「ビスキドカウダ・レペンス(Viscidocauda repens)」と名付けられました。

「エンドミクサ(Endomyxa)」という原生生物の一群に属しています。

エンドミクサには、自由生活性のアメーバや、動植物に寄生する微生物など多様な仲間が含まれています。

これまでこのグループで常に鞭毛を持つ生物は確認されておらず、今回が初めての発見となります。

研究によると、「ビスキドカウダ・レペンス」は海水中を滑るように移動し、細菌を食べながら生活する二本鞭毛の微生物。

ときおり、後ろ側からアメーバ状の突起(仮足)を伸ばす様子も観察されました。

チームはこの生物の培養に成功し、詳細な顕微鏡観察を実施したところ、既知のどの原生生物とも異なる細胞構造を持つことが判明しました。

さらにDNA解析によって、同種がエンドミクサの中でも「アセトスポラ(Ascetosporea)」や「グロミイデア(Gromiidea)」と呼ばれるグループに近いことが分かったということです。

注目すべきは、細胞内に4本の構造がある一方で、よく見られる帯状のパーツ(vp2)がない点。

この違いが、新しい種類と認められた大きな理由のひとつです。

研究チームはこの発見について、「エンドミクサは基本的に鞭毛を持たないと考えられてきたが、祖先的には鞭毛を持っていた可能性がある」と指摘。

今回の成果が、エンドミクサ全体の進化の理解につながる貴重な手がかりになるとしています。

この発見に対しては、「驚くべき発見だけど、ちょっと不気味」「ここから分裂して新たな生物が誕生しそう」といった興味深い反応が寄せられました。

中には、「イカをさばいた時にこんな感じになる」「スマートフォンにも見える」といったユニークなコメントも。

さらに、「つくば大学、さすが!」といった称賛の声も見られました。

Text by 本間才子