伏見稲荷で相次ぐゴミのポイ捨て 海外メディア「日本の観光地は荒れてきている」

画像はイメージ(Flicker/ Roland Moriz

京都を代表する観光名所・伏見稲荷大社で、ごみの不法投棄が深刻な問題となっています。

【画像】側には「ごみを捨てないで」の注意書きも悲惨な結果に

観光客急増の裏で起こっている惨事

発端は、現地で長年ボランティア活動をしてきた人物がX(旧Twitter)に投稿した写真でした。

トイレ内で撮影されたその写真には、手洗い場の鏡の前にごみが山積みとなり、「ごみを捨てないでください」と書かれた注意書きが完全に隠れていました。

投稿者は「これまでで見たことのない量のごみだった」と衝撃を語り、「これは文明行動として史上最低水準だ」と強い言葉で現状を批判。

この投稿が大きな反響を呼び、問題の深刻さが一気に可視化されました。

この問題提起に対し、台湾メディア「三立新聞(SETN)」をはじめとする複数の海外メディアも相次いで反応。

同メディアは、SNS上で広がった怒りの声として「これがいわゆる破れ窓理論の現実だ」「日本の観光地は荒れてきている」「日本のイメージを損ねる行為だ」といった意見を紹介しました。

なかには「観光目的の参拝は制限すべき」とする厳しい声も取り上げ、単なるマナー違反にとどまらず、文化財保護や観光のあり方にまで問題が波及していると伝えています。

また、一部では「ごみ箱が足りないのではないか」といった設備面への疑問も。

これに対し、投稿者は「トイレからすぐの場所に飲料容器専用のごみ箱がある」と反論し、「問題は設置の有無ではなく、道徳心の欠如だ」と強調しました。

コロナ禍を経て観光客数が急回復する中、ごみの量も比例して増加しているといいます。

投稿者は長年、週に3〜4回、自主的にごみ拾いを行ってきたそうで、近年は「使用済みのティッシュやおむつまでもが放置される異常な事態」と述べました。

「宗教的な聖地でこのような無規範な行為が横行していることに、怒りと恥ずかしさを感じる」と語っています。

同メディアは、投稿者が「問題は外国人観光客に限らず日本人にも見られる」としたうえで、「国籍に関係なく、すべての人がマナーと公徳心を持つべきだ」と訴えていると伝えました。

Text by 本間才子