「氷床の底に到達した」 270万年前の南極氷の撮影に成功

David Stanley / Flickr

南極の氷床に設けられた縦穴にカメラを投入した映像が公開され、科学的にも貴重な発見を映し出しているとして注目を集めています。

【動画】「ワクワクする」南極氷の底に到達

270万年前の南極の底に到達

この様子は、アメリカ・オレゴン州立大学の「COLDEX(Center for Oldest Ice Exploration)」に所属する大学院生、オースティン・カーターさんがTikTokアカウント「@austincarter642」に投稿。

調査は、南極大陸の東部に位置する「アラン・ヒルズ青色氷地域(Allan Hills Blue Ice Area)」で行われました。

研究チームは氷床に深さ約93mのアイスコア(氷柱状の採掘穴)を掘削し、その内部にカメラを垂直に落下させました。

映像では、「東南極氷床に入ります」という字幕に始まり、カメラが氷のトンネルを急速に降下していく様子が映し出されます。

カーターさんによると、この場所ではこれまでに発見された中で最も古い氷が見つかっているといいます。

その年代はおよそ270万年前とされ、地球の気候史における極めて古い記録だということです。

「今回のコアで、さらに古い氷を見つけることを目指している」と意気込みを語るカーターさん。

また、「気候システムの基本的な特性をより深く理解するため」の研究であるとも話しています。

映像のラストでは、「氷床の底に到達しました」という字幕とともに、白く固まった氷の穴の最下層が映し出されました。

この投稿には、「彼らは地球に大腸内視鏡検査をしてるみたいだね」といったコメントや、「ホラー映画の始まりってこうだよね」という想像を膨らませた声が見られました。

また、「2.7百万年もの氷か…。50年もののスコッチと一緒に飲むことを想像してしまう」といった風刺的なコメントも寄せられていました。

Text by 本間才子