中国製太陽光パネルに「隠し通信機能」 「中国はインフラを破壊・妨害できることを評価」

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中国製の太陽光発電用インバーターに未申告の通信機器が含まれていたことを受け、アメリカ当局がリスク評価の見直しを進めていることが明らかになりました。

【動画】「中国製品は危険」FPLなど電力大手が太陽光パネル見直し、米国内で警戒感拡大

この件は、イギリスのロイター通信をはじめとする複数メディアが報じています。

中国製太陽光発電パネルにアメリカが懸念

インバーターは、太陽光や風力など再生可能エネルギーを電力網に接続するために不可欠な装置であり、その多くが中国で生産されています。

今回、アメリカの専門家が一部のインバーターやバッテリーを分解して調査した結果、製品仕様に記載のない通信機能、とくにセルラー通信機器が複数の機種から見つかりました。

問題の機器は、設置先のファイアウォールを回避して外部と通信する可能性があり、安全保障上の深刻な懸念となりかねません。

元NSA(国家安全保障局)長官のマイク・ロジャース氏は「中国はインフラを破壊または妨害できる手段を持つことに価値を見出している」と述べ、警戒を呼びかけました。

米政府はすでに、国家安全保障上の理由から特定の中国製バッテリーの調達を禁止する法案を提出しており、今後はインバーターにも同様の制限が課される可能性があります。

フロリダの大手電力会社FPLなど、一部の電力会社は中国製機器の使用を減らす方向で調整を進めているということです。

専門家によると、中国の大手メーカー・ファーウェイは世界のインバーター市場で2022年に29%のシェアを占めました。

しかし、安全保障上の理由から欧州では一部の企業が同社製品の採用を見送っていると伝えられています。

前任期でトランプ氏は中国に対して強硬姿勢を示し、2012年には自身のX(旧Twitter)で「地球温暖化という概念は中国が米国の製造業を不利にするために作り出した」と投稿するなど、再生可能エネルギーをめぐる中国との対立姿勢を鮮明にしていました。

2025年には、関税率を最大60%に引き上げ、中国製ソーラーパネルなどへの依存脱却と国内産業の再強化を強調しています。

この報道を受けて世間では、「中国から何でも買うのはやめよう」といった声がある一方で、「アメリカはあらゆるものをスパイしている」といった意見もみられました。

Text by 本間才子