“壊れやすい翅”が残った奇跡 兵庫県で37年前に見つかった200万年前の絶滅チョウが新種と認定
画像はイメージ(Flicker/ allen watkin)
兵庫県で1988年に発見され、長らく分類が不明だった昆虫の化石が、絶滅した新種のチョウであることが明らかになりました。
【画像】高校教師の名前にちなんだ幻のチョウ「タコラ・カミタニイ」
研究成果が、学術誌『Paleontological Research』に掲載されています。
チョウの化石が珍しい理由とは
このチョウは「タコラ・カミタニイ(Tacola kamitanii)」と命名され、発見者である地元の兵庫県立浜坂高校教諭だった故・神谷喜芳さんの名にちなみます。
翅の開張は約8.4㎝に達すると推定され、これまで地元の博物館「おもしろ昆虫化石館」で保管されてきました。
この化石は約260万~180万年前の更新世前期に属し、チョウの化石としてはこの時代から初めて見つかった例とされています。
また、絶滅したチョウの化石としては最新の発見となりました。
チョウの化石が珍しい理由として、翅や体が非常に壊れやすく、水に浮きやすいため、他の昆虫に比べて化石として残りにくいことが挙げられています。
しかし、この標本は極めて稀な状態で残っており、標本の腹部が非常に大きい特徴から、この個体はメスだと推測しています。
発見当時の日本列島は、温暖な気候から寒冷な気候へと変わる時期にあり、タコラ・カミタニイはその移行期に温かい地域で暮らしていたと考えられています。
この発見は、同じ仲間のチョウが東南アジアから日本にかけて広く分布していたことを示す証拠にもなりました。
このチョウの発見を受けてネット上では、「素晴らしい発見で嬉しいニュース」「今後の新種発見に期待しています」といった賞賛と応援のコメントが寄せられていました。




