円高で日本旅行は“我慢”? 「1ドル=130円超」で6割以上が迷うと回答

画像はイメージ(Flicker/ Justin Daoust

2025年2月27日、訪日外国人向けの買い物サポートサービスを提供するIT企業、株式会社Payke(本社:沖縄県那覇市)が、「円相場が訪日旅行需要に与える影響」に関する訪日外国人向けアンケートの結果を公表しました。

【画像】円高でも訪日は止まらない?外国人観光客の意外な消費行動が明らかに

調査は、同社が提供する訪日客向けショッピングサポートアプリ「Payke」上で実施され、韓国語・英語・繁体字中国語を使用するユーザー4,210人から回答を得ています。

円高になったらインバウンドはどうなる?

本調査は、為替の動向が訪日観光市場にどのような影響を与えるかを探る目的で行われ、特に「円高」が訪日意欲に及ぼす影響を中心に分析がなされました。

その結果、約4人に1人(25.5%)が「円高で訪日をためらう可能性がある」と回答。また、「円高でも訪日旅行をする」が24.6%、「訪日はするが消費を抑える」が48.8%となり、合わせて7割以上は円高下でも日本を訪れる意向を示しました。

為替レートが訪日旅行を見送る判断にどう影響するかを具体的に問う設問では、「1ドル=140円を超えると訪日を延期または中止する」と答えた人が40.5%と最多。

このほか、「130円以上でためらう」は64.1%、「120円以上」は82.3%、「110円以上」では94.3%と、円高が進むにつれて訪日意欲が急激に減退する傾向が見られました。

性別や年代による違いも見られ、男性は「為替にかかわらず訪日する」傾向が女性より高く、女性は「為替の影響で消費を抑える」割合が比較的高くなっています。特に10代から40代にかけて、この傾向が顕著でした。

さらに、「円高でも旅行はするが、滞在中の消費を節約する」と回答した48.8%に対して、節約を検討する具体的なレートも調査されました。

そのうち、「1ドル=140円を超えたら節約する」と答えた人は44.8%で最多。

「130円以上」で65.5%、「120円以上」で84.0%となり、一定の為替ラインが消費行動にも影響を及ぼすことが分かりました。

一方で、円安時に「支出を増やしたい項目」として最も多かったのは「食事費用」(38.0%)。次いで「医薬品・化粧品・健康グッズ」(35.7%)、「衣類や革製品・宝石など」(33.0%)が続いています。

今回の調査からは、円相場の変動が訪日旅行そのものだけでなく、旅行中の消費行動にも明確な影響を与えていることがうかがえます。

それでも調査結果を踏まえると、たとえ今後円高が進行し、1ドル=140円台で推移した場合でも、訪日外国人数は前年比で8.2%増の3,992万人、旅行消費額も同0.5%増の8兆1,832億円に達する見込みが示されており、訪日市場は今後も一定の成長を維持する可能性が高いと考えられます。

Text by 本間才子