レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチ通り? 城の地下に“幻のトンネル”を発見

画像はイメージ(Flicker/ Jay Cross

イタリア・ミラノのスフォルツァ城において、レオナルド・ダ・ヴィンチが約500年前に描いたとされる秘密の地下通路が発見されました。

【画像】「500年の時を超えた発見!ダ・ヴィンチが描いた“秘密の地下通路”が実在していた

ダヴィンチの謎のトンネルを発見

この発見は、ミラノ工科大学のフランチェスカ・ビオロ博士の博士論文研究の一環として実施。

地中レーダーやレーザースキャナーなどの非破壊技術を駆使して、城の地下構造をデジタル化する調査の中で明らかになりました。

ビオロ博士と研究チームは、スフォルツァ城の外周を囲む「ギルランダ」と呼ばれる防御壁の下にある既知の地下通路を調査していましたが、その過程で新たな秘密のトンネルを発見。

この第二の通路は、既存の通路と平行に走り、地表から約1mの深さに位置しており、兵士たちが敵の侵入に備えて隠密に移動するためのものと考えられています 。

また、研究チームは他にもいくつかの地下通路を発見しました。

その中には、スフォルツァ公ルドヴィーコの妻ベアトリーチェ・ダステが埋葬されているミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院へと続く通路も含まれており、これはルドヴィーコが妻の墓を訪れるために建設したと伝えられています。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、ルドヴィーコ・スフォルツァ公の宮廷に仕官していた時期にスフォルツァ城に滞在しており、その間に城の防御構造に関するスケッチを多く残しています。

これらのスケッチには、城の地下通路や防御施設が詳細に描かれており、今回の発見と一致する部分があることが確認されています。

ただし、ダ・ヴィンチがこれらの通路の設計にどの程度関与していたかは明確ではなく、さらなる調査が必要とされています 。

現在、研究チームはこれらの地下構造を3Dモデルとしてデジタル化し、AR(拡張現実)技術を用いて、来館者がスフォルツァ城の歴史的な地下空間を体験できるようにすることを目指しています。

この取り組みは、歴史的遺産の保存と教育的価値の向上に貢献することが期待されています 。

Text by 浅田 一