まるで芸術作品? ピカソ風カタツムリ「アナウケン・ピカソ」、東南アジアで発見
画像はイメージ(Flicker/ John Smith)
キュビズムの巨匠「パブロ・ピカソ」の名前を由来とする芸術的なカタツムリが、東南アジアの石灰岩地帯で新たに見つかりました。
【画像】「1円玉に6匹乗る」?ピカソにちなんだ“極小カタツムリ”
この発見は、学術誌「ZooKeys」に掲載されました。
殻の直径は5mmとかなり小さめ
今回見つかったのは「アナウケン・ピカソ(Anauchen picasso)」と名付けられた微小な陸生カタツムリです。
殻の直径は5㎜にも満たず、肉眼で探し出すのも困難なサイズながら、その独特な殻の形状が特徴的です。
殻がなめらかな螺旋とは異なり、矩形に近い不規則なラインを描き巻いている形状がキュビズム絵画を彷彿とさせることから、スペインの画家パブロ・ピカソにちなんで命名されました。
研究を主導したのは、セルビア・ベオグラード大学の博士課程学生ヴカシン・ゴイシナさんと、ハンガリー自然史博物館に所属するバルナ・パル=ゲルゲイ博士を中心とする国際的な軟体動物研究チームです。
彼らはミャンマー、カンボジア、ラオス、ベトナム、タイの石灰岩地域に分布する数百点に及ぶ標本を調査し、46種におよぶ新種の陸生カタツムリを記載しました。
この新種は、独特な殻の形状に加えて、殻の入り口に細かい歯のような突起が多数並んでおり、これは捕食者から身を守るためのしくみと推測できます。
さらに、入り口が上向きや下向きについているものもあり、殻を逆さに背負っているように見える種も確認されました。
アナウケン・ピカソを含む多くの種は、石灰岩地帯にのみ生息する地域限定の固有種。
最近採集されたものもありますが、一部は1980年代に採集されながら長く未記載のままだった標本から判明しました。
研究チームによれば、これらの生息地の多くは森林伐採や採石によってすでに失われている可能性が高く、すでに絶滅した種が含まれている恐れもあるそうです。
新種発見のニュースに世間では、「朗報です」「小さくて可愛い珍しいカタツムリですね」「1円玉に6個も乗る極小だ」といったさまざまな反応が上がっていました。




