「驚くほど魅力的に」レクサス新型ES、米誌は先鋭化するスタイルに注目

LEXUS ES(プロトタイプ)|トヨタ自動車

 レクサスが2026年モデルの「ES」を上海オートショーで公開した。新型ESは先代から大きく進化し、パワートレインにはハイブリッドと電気自動車(EV)の2タイプを用意する。キリリと引き締まったボディデザインと最先端機能を取り入れ、2026年に北米でデビューする計画だ。

◆全長165mm増、角張ったデザインに一新
 2026年モデルのレクサスESは大幅にサイズアップする。全長が165mm、ホイールベースが80mm、幅が55mm広がった。

 米モーター・トレンド誌は、ESが近年、世代を重ねるごとに若々しく洗練されてきた点に注目。特に現行モデルでは、低く長いプロポーションや流れるような曲線によって「控えめながら色気のある」デザインへと進化していると指摘。そして新型では、さらにエッジが効いた大胆なスタイルへと進化したとして、タイトルで「『地味な定番』から『思わず驚くほど魅力的な存在』へと生まれ変わった」と表現した。

 米カー・アンド・ドライバー誌はフロントグリルの変化にも触れている。レクサス独自の「スピンドル」グリルが進化し、装飾パーツではなくボディラインそのものが砂時計の形を描く構成に変わった。EV版では、グリル部分にスムーズなパネルを備え、バッテリー冷却用の通気口を下部バンパーに組み込んでいる点が特徴だ。一方、ハイブリッド版には、エンジン冷却のための細い上部グリルが追加された。

◆ハイブリッドと電気自動車、選べる2つのパワートレイン
 次世代ESからはガソリンモデルが消え、ハイブリッドと電気自動車のみが残る。

 ハイブリッドモデル「ES350h」には2.5リットル直列4気筒エンジンが積まれている。システム出力は247PSに達し、現行のES300hの218PSを超えた。無段変速機を通じ、4WD版では0-100km加速は7.8秒、FR版では8.0秒となる。また、モーター・トレンド誌は「ES500e」の同加速に注目し、5.9秒とシリーズ中最も速い値になると報じている。

 一方、車体デザインはシンプルだ。カー・アンド・ドライバー誌は、すっきりとしたシンプルなデザインにまとまったと評価する。また、ホイールベースが長くなったことで、先代モデルより室内に余裕が生まれた。シート位置も高めに設定され、乗り降りがラクになっているという。バッテリー配置の都合も関係していると思われる。

◆最新テクノロジー満載の内装、北米初のエグゼクティブパッケージも
 メーター類は12.3インチのデジタル式を採用。14.0インチのタッチパネルには最新の情報システムを搭載し、無線接続のアップル・カープレイとアンドロイド・オートも標準装備だ。

 モーター・トレンド誌は、北米では初の「エグゼクティブパッケージ」が用意されると報じている。このオプションを選択した場合、助手席側にフットレスト、後部外側席にはマッサージ機能、後席全体に温度調節機能が付き、居住性がさらに向上する。

 米ドライブ誌は、かなり質素な印象を受けると述べ、テスラのプラスチック中心のシンプルさを好む客層を狙ったものではないかと見ている。

 より高級感が欲しかったとの捉え方もあるが、設備の豪華さは折り紙付きだ。

Text by 青葉やまと