自動運転はストップからスタートする?
コンサルティングファームのデロイトは、テクノロジー・メディア・通信の領域で破壊と成長をもたらす機会に関する予測レポート「Deloitte 2017 TMT Predictions」を発表した。レポートでは10の予測がなされており、近年注目を集めている自動運転についても触れられている。
デロイトは、自動運転はストップからスタートする、という予測を出している。ここでいうストップとは、緊急自動ブレーキ機能(オートマティック・エマージェンシー・ブレーキング、AEB)を指しており、日本では日産がエマージェンシー・ブレーキを搭載した車種を多く発表している。2017年1月時点では、日産はSERENA、NOTE、X-TRAIL、JUKE、FUGA、SKYLINE、TEANA、LEAFの6車種にエマージェンシー・ブレーキシステムを搭載していることが確認できる。
グローバルでは今後どのようにAEBが広がっていくのか。デロイトは、2022年までに6分の1のアメリカの軽トラックを含む自動車がAEBを搭載することになると予測している。またAEBの普及により、2022年には2017年に比べてアメリカでの自動車死亡事故を六千件、16%削減する効果が見込めるとしている。
Googleなどが開発を進めているドライバーの必要がなくなる”完全”自動運転に対する期待は大きいが、我々が恩恵を受けられるのはまだ先になりそうだ。その一方で、すでに実際の車両への搭載が進んでいるAEBは、自動車による死亡事故という不幸を減らすことができる。運転をしなくて良い、小さいころSF小説で読んだような世界はストップからスタートして、着々と私たちの生活を変えているようだ。