「4万年の間に独自に進化」 国立公園で発見された新種の蝶

画像はイメージ(Flicker/ -ted

北米・カナダ西部の山間に位置する国立公園内で、孤立した地域に生息する新種の蝶が発見されました。

【画像】「かっこいい!」4万年も孤立していた新種の蝶

この発見は、学術誌「Zookeys」に掲載されています。

サイズは25mm未満と超小型

新種の蝶は、カナダ・アルバータ州のワトソン湖国立公園内にある「ブラキストン扇状地(Blakiston Fan)」という氷河地形の残る地域で見つかりました。

体は小さく、特にオスの翅を広げたときの幅は25mm未満とされ、近縁種よりも一回り小柄です。 

灰褐色の翅と細かな尾状突起が特徴のこの蝶は、「サテリウム・キュリオソルス(Satyrium curiosolus)」という学名で記載されています。

翅自体は控えめな模様ながら、縁に灰色がかった鱗粉が乗り、繊細な黒斑があるのが特徴。

これにより、落ち着いた中にも個性が光る風合いを醸し出しています。

また、幼虫は紫がかったルピンを食草とし、アリと共生関係を築いています。

甘露を与えて守ってもらうほか、危険を感じるとアリの巣に避難する姿も観察されています。

研究者によれば、この蝶は約4万年にわたって他の個体群から完全に隔離されており、その間に独自の進化を遂げたとのこと。

遺伝的な解析では、非常に限られた多様性と近親交配の痕跡が確認されましたが、それが逆に安定した小規模個体群の形成につながっているとも考えられています。

なお種小名の「キュリオソルス」は、「興味深く孤立したもの」という意味が込められているそうです。

この新種の発見には、SNS上で「かっこよすぎる!」「驚きの発見!」「論文を読むのが待ちきれない」といった感動の声が相次いで寄せられました。

Text by 本間才子