これまでの定説を覆す発見 世界で初めて見つかった3本指の恐竜の化石
画像はイメージ(Flicker/ Laurence Ireland )
カナダ、ブリティッシュコロンビア州から発見された新しい鎧竜類の足跡の化石は、北アメリカ白亜紀中期にアンキロサウルス類の恐竜が生息していたことを裏付ける証拠となりました。
その詳細が記された論文が、Journal of Vertebrate Paleontologyに掲載されています。
北米で発見された1億年前の化石
アンキロサウルスは、体長8m、体重8tにまで成長し、尻尾の先にビーチボールサイズの頑丈な装甲を持つ、戦車のような体格の恐竜です。
アンキロサウルスが属する鎧竜類グループには、もともとノドサウルス類とアンキロサウルス類という2つのタイプがあるとされています。
過去100年間に発見されたのは、Tetrapodosaurus borealis(テトラポドサウルス)というノドサウルス類の足跡の化石で、すべて4本足でした。
ノドサウルス類には硬い尾や、アンキロサウルス類の尾の先端にあるような装甲はありません。
今回、カナディアン・ロッキー山脈で発見された新しい足跡は、3本指。
つまり世界で初めて、アンキロサウルス類恐竜が残した3本足の化石が、ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)のタンブラー・リッジとアルバータ州北西部の2ヶ所で発見されたのです。
この足跡は、1億年から9,400万年前。
北アメリカではアンキロサウルスの化石がまったく発見されていなかったため、その地域には生息していないのでは、という研究者の声もあったようです。
今回の足跡は、装甲を持つアンキロサウルス科とノドサウルス科の両種が北アメリカに生息していたことを示唆する重要な発見となりました。
この新種は、Ruopodosaurus clava(ルオポドサウルス・クラヴァ)と名づけられています。




