最年長は127歳 年齢を重ねても老化しない魚
画像はイメージ( Wikipedia Commons )
北米の淡水系に生息するバッファローフィッシュは、年齢を重ねるごとに免疫機能が高まり、老化しない魚だと言われています。
Scientific Reportsが伝えています。
老化しない魚
北米原産の淡水魚「ビッグマウスバッファロー(Ictiobus cyprinellus)」は、驚異的な長寿で知られています。
最新の研究では、最長で127歳に達する個体が確認されており、これまでの予想を大きく上回る結果となりました。
この魚の年齢は、耳石(じせき)と呼ばれる内耳の石灰化構造を分析することで判明することが可能。
耳石には年輪のような成長線があり、これを数えることで正確な年齢を推定できます。
2019年の研究では、386匹のビッグマウスバッファローを調査し、その中の5匹が100歳以上で、最年長の個体は112歳であることが確認されました。
さらに2021年の研究では、2歳から99歳の個体を対象に生物学的老化の指標を調査。
結果、テロメア(染色体末端のDNA配列)の長さが年齢とともに安定しており、免疫機能も高齢個体で維持されていることがわかりました。
これは、ビッグマウスバッファローが「無視できる老化」を示す、つまり年齢による生理的衰えがほとんど見られないことを意味しているのだとか。
しかし、ミネソタ州のライス湖では、過去60年以上にわたり新しい世代のビッグマウスバッファローが成魚に成長していないことが報告されています。
毎年春に産卵が行われ、卵は孵化するものの、夏の終わりまでに若魚が姿を消してしまうのです。
この主な原因として、ノーザンパイクなどの捕食者による影響が考えられているようです。
また、フィッシング(弓矢を使った漁法)による大量捕獲が懸念されており、個体群の減少が進行している可能性があるとのこと。
ビッグマウスバッファローの保全には、その生態や寿命に関するさらなる研究と、適切な管理策の導入が不可欠とされており、今後の研究が期待されています。




