奇跡の復活 絶滅したと考えられていた鳥が個体数回復
画像はイメージ(Flicker/ Francesco Veronesi )
ペリカン目サギ科のサンカノゴイ。
【画像】「28年前に確認されたのはわずか11回」鳥の個体数が復活
イギリスでは絶滅したと考えられていましたが、多くの保護組織団体の献身的な努力により個体数を復活させ過去最高数を記録しました。
イギリスでかつて絶滅した鳥が復活
最新の調査では、繁殖期におけるオスの「ブーン」という特徴的な鳴き声が283回確認され、前年から20%の増加となりました。
これは1990年の監視開始以来、最大の増加幅だということです。
サンカノゴイは19世紀後半に狩猟や生息地の喪失によりイギリスで絶滅しましたが、1900年にノーフォークで再発見。
しかし1997年には繁殖期のオスの鳴き声がわずか11回しか確認されず、再び絶滅の危機に瀕していました。
この回復の背景には、RSPB(イギリス王立鳥類保護協会)とNatural England(イングランドの自然環境の保護と景観管理を担う政府機関)による湿地帯の再生と保全活動があります。
サンカノゴイは葦が茂る湿地帯に生息しており、それが再生したことが個体数の増加につながっているようです。
2024年の調査では、新たに12ヶ所でオスの鳴き声が確認され、保護活動の成果が示されました。
サンカノゴイのオスは繁殖期に「ブーン」という低音の鳴き声を発し、これは約5km先まで届くのだそう。
この特徴的な鳴き声を頼りに、ボランティアや保護チームが個体数を監視しているとのこと。
最近では気候変動による海面上昇が湿地帯を脅かしており、安全な内陸部の生息地の確保が今後の課題となっています。
現在、サンカノゴイはイングランドとウェールズの多くの自然保護区で観察することができるようになっています。




