発掘された化石化した27本の骨製工具 「ヒトの先祖の認知能力の進化を示す重要な証拠」
画像はイメージ(Di (they-them) / Wikipedia Commons )
イギリス・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)とスペイン・国立研究所(CSIC)の共同研究により、アフリカ東部・タンザニアのオルドヴァイ渓谷で27本の化石化した骨製工具が発見されました。
発見内容は、科学誌『Nature』に掲載されています。
化石化した骨製工具が発見される
発見された骨製工具は、石器を作る際に使われる「ナッピング(削り)」技法に類似した方法で加工されているのが特徴です。
これは、ヒトの先祖が150万年前には石から骨への技術転用を行っていたことを示しています。
この発見で、これまで考えられていたよりも100万年早く、骨を使った道具が製作されていたことが明らかになりました。
骨道具は、主にゾウやカバなどの大型哺乳類の骨から作られており、非常に硬く密度が高いため、道具作りに適していました。
約170万年前に始まるアシュレアン時代と推測され、この時期にヒトの先祖が既に洗練された技術を用いていたことがわかったのです。
研究チームの一員であるUCL考古学部のルネータ・F・ピーターズ博士は、「これらの道具は、作成者が慎重に骨を加工して有用な形に仕上げたことを示しており、石から骨へと技術を移行する能力を証明しています」とコメント。
さらに、「この発見はヒトの先祖の認知能力の進化を示す重要な証拠であり、非常に興奮しています」と述べています。
この発見に対して世間では、「興味深い」という反応が上がっていました。