日本独自の「耳かき」、海外で密かな人気? 膝枕の癒やし効果にも注目
「一般的に、アジア人の方が西洋人よりも耳のケアが良くできている」「私が見てきた中で最も健康的な耳は、アジア人女性のものだった」――。これは、イギリスの権威ある耳鼻科医、アンドリュー・シーツ医師の言葉だ。
日本では、日常の耳掃除に「耳かき」を使うのが一般的だ。一方、欧米では綿棒がポピュラーだという。しかし、綿棒では垢を奥に押し込むことになり、逆効果だという専門医の指摘もある。その点、垢を外に掻き出す日本式の「耳かき」は、医学的にも理にかなったツールだと言えそうだ。
◆日本独特の「癒やし」の文化
米ニュース専門局の旅行サイト『CNNトラベル』は、日本在住の外国人記者による日本の「耳かき」文化の先進性とその「癒やし」の効果をレポートした記事を掲載している。
筆者のダニエル・クリーガー記者はまず、秋葉原の「山本耳かき店」を訪問。着物姿の女性が膝枕で耳かきをしてくれる人気のチェーン店だ。記事は、2006年に政府が耳掃除を医療行為ではないと認定して以降、全国にこうした耳かきサービスを行う店舗が急増したとしている。また、こうしたビジネスが広く受け入れられるのは、日本独特の現象だとみている。
クリーガー記者は、耳のマッサージや肩叩き、お茶のサービスもある同店の総合的な「癒やし」を提供するシステムを紹介。「ほとんどの客が施術中に寝てしまう」という癒やし効果を目の当たりにし、「耳掃除のパイオニアは古代エジプトだが、数千年後、日本が耳のケアに革命を起こした」と記す。
同店の客のほとんどは男性だ。同記者は、日本の家庭では耳かきは伝統的に母親の仕事で、同店の客は母性による癒やしを求めて来店すると指摘する。本来は女性向けのイヤーエステサロン『ビーティフィック』も紹介されているが、こちらの客層も4割が男性だという。
◆ツールとしての「耳かき」の優位性
クリーガー記者は、ツールとしての日本式の「耳かき」を、「先端に小さな匙のある竹、鉄、またはプラスチック製のイヤーピック」と表現する。そして、自身が地元大阪の耳鼻科に行った際の体験を記す。それによると、医師は同記者の右耳に大きな耳垢がたまっているのを見つけると、「驚くべき器用さでピンセットを使い、それを取り除いた」という。
そして、自身が日本式の耳かきに切り替えた経緯を記す。「医師は私の原始的な道具、綿棒を捨てるように言った。西洋では一般的なものだが、彼は(綿棒は)耳道の奥に異物を押し込んでしまう危険があると言った」
米Amazonの日本式の「竹製耳かき」のカスタマーレビューにも、以下のような声が寄せられている。「私の耳道は小さく、いつも痒みに悩まされていた。この耳かきはそれを解決してくれた」「金属よりも柔らかく安全だ。私は以前、同様のものを中国で買った」「年に1回は耳の感染症にかかっていた。ウォールマートで買ったプラスチックのイヤークリーナーはそこそこ使えた。そして、ドイツ製の金属のものを経てこれを買った。もう何年も感染症は発症していない」
◆メガネフレームの技術を応用した最新・最高品質の「耳かき」
日本式の「耳かき」と言ってもまさにピンキリ。上記のレビューが寄せられた商品は、5本セットで投げ売り価格で売られているものだ。反対に、最高の品質と最新のデザインを兼ねた商品の一つとして、メガネフレームの技術を応用した『sabae mimikaki(鯖江ミミカキ)』を紹介しよう。
福井県鯖江市は、国内シェアの90%以上を誇る100年以上の歴史を持つメガネフレームの産地。『sabae mimikaki(鯖江ミミカキ)』は、その中でも老舗のメガネ材料商社キッソオが1点ずつ手作りした耳かきだ。柄の部分の素材にはメガネフレームに使われる「セルロースアセテート生地」を使っている。濡れたような艶っぽい質感が特徴で、マーブル模様や千鳥格子といった複雑な柄も自在に作り出すことができるという。アレルギーの危険性が少ないのも特徴だ。
先端部の素材には軽量・堅牢というチタンの特徴に柔軟性が加わった「βチタン」を採用。竹のように折れることなくバネのようにしなるので、耳かきとしての機能性も従来品にはない高いものとなっている。
デザインを手がけるのは、新進気鋭のクリエイターチーム『セメントプロデュースデザイン』。メガネをイメージさせる丸いモチーフを使うなど、遊び心あふれるデザインが特徴だ。カラーや表情が異なる豊富なラインナップが用意されている。
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