週休3日は可能か? 世界で広がる導入の動き 日本でも

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 週休3日制への関心が世界的に高まっている。イギリスの労働党政権は先日、週休3日など労働者の柔軟な働き方を推進する法案を議会に提出した。イギリスで過去に行われた社会実験では、実験終了後も参加企業の多くが制度を継続している一方、経済への影響を懸念する声も上がっている。

 日本でも自治体レベルでの導入が始まった週休3日制だが、導入に向けては慎重な検討が必要とされている。

◆5日分の労働を4日でこなす
 イギリスのスターマー政権は10日、労働者が週4日勤務を要求できる新たな法案を議会に提出した。現行法では、従業員には柔軟な勤務形態を要求する法的権利があるが、雇用主には同意する義務はない。新法案では、追加費用が発生するなどビジネスに影響がある場合を除き、雇用主は従業員に柔軟な勤務形態を提供することが求められる。

 成立すれば、労働者は、たとえば月曜から木曜までの4日間で週の労働時間を終え、金曜日を休日とするなど、1日あたりの労働時間を延ばすかわりに休日を増やすことを上司に求めやすくなる。

 労働党の関係者は、英テレグラフ紙の取材に対し、「柔軟な勤務形態は、親が仕事を続けたり、高齢の親族の介護責任を担う人々を支援したりすることで、より多くの人々が労働力としてとどまり、生産性を向上させる可能性がある」と効果を強調する。

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Text by 青葉やまと