インド、日本の3.5兆円投資を全面バックアップ 「ジャパン・プラス」始動
インド政府は9日、日印の経済関係強化のため「ジャパン・プラス」チームを発足した、と発表した。日本からの投資提案の実行を加速することが目的だ。
◆日印の政府関係者で構成
発表によると、「ジャパン・プラスは、2014年10月8日から実質的に始動している。経済産業省の豊福健一朗氏(独立行政法人日本貿易振興機構:JETROニューデリー事務所次長)により調整され、インドからは4名、日本からは2名の政府関係者を含む」(印エコノミック・タイムズ紙)という。ジャパン・プラス・チームは、部門の垣根を越えて動き、日本からの投資について、指導、誘致、促進、迅速な対応や投資計画の把握など、様々な面でインド政府をサポートするという。
印商工省は、チームの任務について、調査、縦割りを排した実務、プロモーション、手続きの簡素化、計画完了後のフォローなど、投資促進全ての範囲に及ぶと説明した。また、投資について最新情報の提供も行うとしている。
「加えて、ジャパン・プラス・チームは、中小を含め有望な日本企業を判別し、それらがインドでの投資を容易にできるようにする」(エコノミック・タイムズ紙)
◆インドへの直接投資を増加する日本
安倍晋三首相は、ナレンドラ・モディ首相の日本訪問中、官民提携と政府開発援助(ODA)を合わせ、5年間で3兆5000億円の投資を提案した。また、新幹線システムの導入のための資金、技術、運営などの支援も申し出た。
日本は2013年度、インドへの直接投資(FDI)は17億ドル、2000年からの合計は162億ドルだった(エコノミック・タイムズ紙)。デリー・ムンバイ産業大動脈構想(DMIC)に関しては、全体の26%、45億ドルを投資した。日本はその他にも、政府が進めるいくつかの開発に密接にかかわっている。
日本政府は6月、日本企業が現地で遭遇する運営上の障害について、計画の迅速な手続きなど、インド政府が明確な方針を示すよう求めた。
日印両政府は9日、外国籍企業との取引において障害となる税制の違いなど調整する二国間の事前確認制度(APA)の取り決めに署名した(印ビジネス・スタンダード紙)。
◆二重の監視体制
インド政府はさらに、2013年9月に両政府が合意した「日印投資交流アクション・プラン」の進行を監視するグループを立ち上げた。議会省、 鉄道省、商工省、外務省、財務省、都市開発省、電子工学・情報技術省など、多くの部署から人員を構成している。同グループは、様々な部門で、迅速な対応、投資の機会、技術の移譲がうまくいっているかどうか、監視を行うとしている(ビジネス・スタンダード紙)。
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