4-6期GDP、年率6.8%減 “今後はプラスに転化”と海外メディアは楽観視
内閣府が13日発表した統計によると、4-6月実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス1.7%、年率換算マイナス6.8%となり、東日本大震災のあった2011年1-3月期以来の大幅な落ち込みとなった。
【落ち込みの理由】
大幅な落ち込みとなった最大の理由として、ほとんどの海外メディアが消費税増税を挙げている。3月まで増税前の駆け込み需要で成長傾向が続いたが、4月以後はその反動で落ち込んだとみられる。
さらにブルームバーグは、日銀は前例のない金融緩和策でインフレをあおる一方、家庭の収入は予想したほどには増えず、消費増税で支出が増えた消費者は打撃をうけたと分析している。
また、4-6月の実質輸出(日銀発表)は2四半期連続で減少し、輸出が予想したほど伸びなかったことも原因としている。ウォールストリート・ジャーナル紙は「円安でも輸出が増えないのは海外生産シフトが進んでいるため」と指摘している。
【日本経済の今後を占う】
日本経済は今後もマイナス傾向が続くのだろうか。これについてフィナンシャル・タイムズ紙は、夏のボーナスが上がったこと、小売りが前回の増税(1997年)時に比べ立ち直りが早いことを挙げ、今後はプラスに転じると予想している。ウォールストリート・ジャーナル紙は、消費意欲を示す指数が6月41.1から7月41.5に改善したことを指摘している。さらにブルームバーグでも、今後はプラスに転じると予測するエコノミストの意見を引用している。
2015年10月には、消費税は10%にさらに引き上げられる予定である。増税を控え、今回の落ち込みが短期的なものか、ある程度長期間続くのかを見極めることが重要になる。安倍首相は、消費税増税について今年中に結論を出すとしているが、今後の経済の動向を見て判断することになるだろうとの予測が多い。
一方、ブルームバーグは明治安田生命チーフエコノミスト・小玉祐一氏の「経済がゼロ成長かマイナスにならない限り、安倍首相は増税に踏み切るだろう」との意見を引用し、引き上げの可能性が高いと予測している。