パリ五輪開会式であった「最後の晩餐」 批判受けIOCが謝罪したことに対する海外の反応
パリ五輪の開会式イベント中にあった演出「最後の晩餐」への反発を受け、国際オリンピック委員会(IOC)が謝罪の声明を発表しました。
IOCが開会式演出への批判に謝罪
現地時間26日に行われた、パリ五輪の開会式。
セリーヌ・ディオンさんやレディー・ガガさんといった大物歌手がパフォーマンスを披露し観客を魅了しました。
18世紀のフランス革命で処刑された王妃マリー・アントワネットが、最後を迎えたというセーヌ川沿いのコンシェルジュリで、生首を持って歌う演出は世界に衝撃を与えました。
物議を醸しているのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」をモチーフにしたと思われるパフォーマンスです。
俳優で歌手のフィリップ・カトリーヌさんが、全身を青く塗り「豊穣の神」ディオニューソスに扮して登場。
これに対しUSA TODAYなどによると、一部のキリスト教団体から「キリスト教を軽視している」とした反発を受けました。
パリ五輪開会式の演出を担当したトーマス・ジョリー氏は、フランスのニュース番組「BFMTV」に出演。
この件に関して、「『最後の晩餐』に着想はしていません。ギリシャ神話の神々による異教の祭りを描いています」と説明。
「誰かを侮辱する意図はなく、分裂を和解させるセレモニーにしたかっただけです」とコメントしました。
それでも止まない反発を受けて、IOCは公式X(旧:Twitter)で声明を発表。
「パリ五輪組織委員会の開会式の意図を歓迎します。組織委員会はいかなる宗教団体や信仰に対しても敬意を欠く意図はなく、常にコミュニティと寛容を祝うことだったと繰り返しています。特定のシーンが不快にさせたのであればそれは意図的ではないものの、申し訳ないと思っています」と謝罪しました。
IOCの声明に対しXでは、「説明が不十分」「謝罪になっていない」といった意見が挙がっています。
芸術か否かという明確な線引きをするのは難しいと言えそうですね。