STAP論文撤回へ “世界中の科学者の時間と金が無駄に…” 米研究者が批判
2日、イギリスの科学誌ネイチャーは、理化学研究所の小保方晴子氏らが同誌に発表したSTAP細胞の論文2本を撤回したと発表した。
【撤回の理由】
撤回理由の中で、小保方氏をはじめとする共著者全員は、理研が認定した不正行為にふれ、「複数の誤りにより、研究の信頼性が失われ、STAP現象が存在すると確信を持って言えなくなった」と説明して謝罪した。
【ネイチャー誌の言い分】
ネイチャー誌自身、撤回に当たって発表した論説で、同誌の編集者もSTAP論文を審査した審査官も多くの誤りを発見できなかったとし、今回、論文発表の手続きに不備があったと認めた。
【他の幹細胞学者の声】
米ボストン・グローブ紙は、再現可能でなければ科学的発見とは言えず、論文を撤回したということは、STAP細胞はもはや存在しないことを意味すると述べる。
同紙によれば、マサチューセッツ工科大学(MIT)の幹細胞生物学者ルドルフ・イェーニッシュ氏も自分の研究室でSTAP細胞の再現実験を行ったが、この方法では無理だとすぐに分かったという。
「STAP細胞を再現しようとして、みんな時間とカネと労力をムダにしたんだ。ようやく解決して良かった」
彼はさらに、誤りや画像の取り違えやねつ造の証拠が多く出てきている以上、ハーバード大はもっと率直に誤りを認めるべきだと付け加える。
「ハーバード大学は押し黙ってしまった。これは本当に良くないし、問題だと思う。ハーバード大にも偉大な幹細胞学者は多い。彼らも当惑しているだろう」
【バカンティ教授のコメント】
一方、同じボストン・グローブ紙によれば、小保方氏の指導教官だったハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授は、今も公には自説を撤回しておらず、所属する病院の広報を通じてコメントを出しているという。
その中で彼は、今回は非常に悲しい結果となってしまったとし、理研の報告書で示されたエラーその他の問題についてよくよく考えた結果、論文撤回に同意したと述べている。
STAP幹細胞のコンセプトは、もともと彼と弟のマーティン氏が仮説を立てたものであり、再現検証が日本で続けられると聞いた彼は「勇気づけられています。STAPが理研によって、またそれ以外の研究者たちによっても、証明されると信じています」と述べる。
理研はSTAP細胞が存在したかどうかを調べる検証実験を4月に開始し、現在ではビデオ監視の下、小保方氏自身も実験に参加しており、7月には中間報告が出される見込みである。