「未来がすぐそこに…」海外も期待のリニア新幹線 試乗したユーチューバー大興奮
東京・品川と名古屋を結ぶ「リニア中央新幹線」の開業は、10年後の2034年以降になる見通しだ。プロジェクトは海外からも注目されており、速度や静音性、そして技術水準の高さが話題だ。
リニアモーターカーは、磁気浮上技術を利用して走行する高速鉄道だ。従来の鉄道とは異なり、超電導磁石を使用して車両を浮上させ、車両がレールに接触せずに走行するため、摩擦がほとんどなく、超高速を実現できる。
リニア中央新幹線は最高時速約500キロで走行し、東京と名古屋までの所要時間(現在およそ90分)を、半分以下の約40分に短縮する計画だ。最終的に2037年の品川―大阪間の全線開業を目指しているが、品川―名古屋間の遅れにより、実現は不透明になっている。
◆「言葉が出ない!」海外著名ユーチューバーが実験線を訪問
科学技術をわかりやすく紹介するイギリスのユーチューバー、トム・スコット氏(登録者数644万人、今年1月に惜しまれつつ活動休止を発表)は昨年4月、山梨県のリニア中央新幹線の実験線を訪問した動画を公開した。
スコット氏は、リニアモーターカーは夢の技術として知られつつも、現在実用化されているのは中国・上海の路線だけだと指摘する。だが、日本には何年も前から実験線が存在していたことを近年になって知り、「とても驚いた」と打ち明けている。
山梨県の実験線を訪れたスコット氏は、「興奮している私を許してほしい、しかし、未来はもうすぐそこまで来ているようだ」と胸を高ぶらせる。氏はリニアの速度を体験すべく、実験線のすぐ脇に立つ。
いよいよリニアが高速で駆け抜けると、スコット氏は思わず首をすくめ、「信じられないよ、言葉が出ない。こういう瞬間を言葉で伝えるのが私の仕事なのに、それができない!」と素直な感想を漏らす。予想を上回る速度に、至極興奮した様子だ。
リニア側の担当者に導かれ、実際に試乗も行った。乗車後、列車が時速100キロに近づくと、その加速感は「飛行機の離陸のような感じではないが、それでもほかのどこの電車でも感じたことがないほど強い」とスコット氏は語る。
最高速度に到達すると、揺れは少し感じたものの、通常の電車では考えられないほどスムーズだったとのことだ。
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