アフガニスタンで発生した大洪水 UNHCRが訴えた現地の人々の苦境
アフガニスタンでの継続的な洪水被害を受けて、国連UNHCR協会が緊急人道支援を呼びかけています。
2024年7月15日、アフガニスタンの中部から東部にかけて大洪水が発生しました。
アフガニスタンで発生した大洪水
米国メディアCNNによると40名が死亡、347名が負傷しているといいます。
UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)の公式Xでは、実際に洪水被害により親族と家を失ったサイフラマンさんのエピソードを紹介しています。
事態が深刻化している原因は、情勢の不安と洪水自体が複数回起きている点にあります。
アフガニスタンはイスラム主義勢力タリバンの統治下で、経済的に不安定な状態にあります。
これに加え、UNHCRはウクライナでの戦争による物価高と不況や地震、干ばつなど洪水以外の自然災害に言及し、「国民の約半数に値する2920万人が人道支援を必要としており、1530万人が食料不安に苦しんでいる」と発表しています。
更に、大洪水は7月15日に起こったものが初めてではありません。
今年5月10日から11日にかけてアフガニスタン北部を襲った豪雨により大規模な洪水が発生し、数百人が死傷しました。
更に同月17日の大雨により中部に位置するゴール州で洪水が発生し50名が死亡、18日には北部ファリヤーブ州で66名が死亡と、相次いで悲劇が起きています。
いずれの洪水においても家屋やインフラ設備が甚大な被害を受けました。
ただでさえタリバン政権の元で混乱が続く中で、これらの再建は非常に難しい状況だと言えます。
こうした被害に対し、UNHCRは救援活動を行っており、「5月13日に緊急テント226張をバグランに手配した他、14日にはさらにテント274張と非食料物資キット1000点(毛布、給水容器、ガスボンベ、調理器具セット、バケツ、その他の生活必需品を含む)を発送した」と発表しています。
さらに、アフガニスタンへの寄付窓口を作成し、民間による支援を積極的に募っています。
日本におけるアフガニスタンの洪水に関する報道は比較的少ないものの、SNSにて家屋が濁流に飲まれる様子や、泥にまみれた子供たちなど、多くの動画や写真によって情報を得ることができます。
是非、皆さんもリサーチをしたり、支援を視野に入れてみてください。
出典:UNHCRウェブサイトと公式X