シロン後継、ブガッティ「トゥールビヨン」の何が革新的なのか? 6億円超のハイパースポーツカー
先月発表されたブガッティ・トゥールビヨンが、その革新性で注目を集めている。開発したブガッティ・リマックは、フランスの高級車メーカーであるブガッティと、クロアチアの電気自動車メーカーであるリマック・アウトモビリが2021年に合併して誕生した。ブガッティの伝統的な高性能車製造技術とリマックの先進的な電気自動車技術の融合によって生まれた次世代ハイパーカーのトゥールビヨンは同社初のPHEV。現行ブガッティ・シロンを凌ぐ性能で話題だ。
◆出力300hp向上、「驚異的なエンジン音」が感性に響く
トゥールビヨンは、特にモータースポーツにおいて高い評価を受けている英コスワース社と共同開発した、8.3リットル自然吸気V16エンジンを搭載する。ブガッティによると、このエンジンはターボチャージャーなしで1000hpを発揮する。エンジンに加え、3つの電気モーター(フロントアクスルに2つ、リアアクスルに1つ)を搭載し、合計800hpを追加する。システム出力は合計1800hpとなる。比較として、2016年に初公開された既存のブガッティ・シロンは、8.0リットルクワッドターボW16エンジンを搭載し、1500hpであった。
英カー誌は、トゥールビヨンを「シロンよりも速く、なめらかで、美しい」と評している。パワーはシロンより300hpほど向上しているが、車体重量は軽く、スリムになっている。最小限の空気抵抗を追求することでよりスマートになり、「驚異的なエンジン音と、より触覚的なステアリング」により「より感性に響く」との評価だ。
このようにパワフルかつエレガントなトゥールビヨンは、ブガッティの哲学を体現している。米ファスト・カンパニー誌は、そのデザインが、かつてのブガッティ幹部の発言を忠実に体現したとみている。この幹部は、「ブガッティは時速400キロで走ることができ、同じ日に配偶者をオペラに連れて行くことができるものでなければならない」と述べていた。