初音ミクのルーツは400年前にあり? 海外メディアが人気の秘密を分析

 ヤマハが開発した音声合成システム・ボーカロイドテクノロジーを用い、女性の歌声を合成したボーカル・アンドロイド「初音ミク」をクリプトン・フューチャー・メディアが発売開始したのは2007年。以来、キャラクター画像を自由に利用することができ、ユーザーによる歌声、キャラクターを用いた創作活動を推進する形をとっている初音ミクは、国内外で注目を集めている。

 初音ミクは、一風変わった神秘的雰囲気を漂わせ、自在に変化する。ツインテールの髪形、丈の長いブーツをはき、ダンスを踊りながら甘いソプラノで歌を歌う。今までのポップスターと異なるのは初音ミクが人間ではない点である。しかし10万曲以上のオリジナル曲をもち、フェイスブックのフォロワーは180万人を超える。ここでは海外メディアの紹介記事から、その魅力を探ってみよう。

【初音ミクのルーツを探る】
 米ニュースサイト『グローバルポスト』は経営コンサルタントの川口盛之助氏の言葉を引用し、初音ミクの魅力を次のように説明している。「(初音ミクは)人生のパートナーであるかのように人間が創造したものだ。日本はマンガが多くの人に読まれ、“オタク”(アニメの愛好家)という言葉も生まれた。オタクがこの非人間のガールフレンドを愛した。現代の日本人女性は携帯やパソコンを人形のようにデコレーションする。日本人はコンピューターにも共感し、自分のパートナーとすることができる」

 さらに続けて初音ミクのルーツは400年前にさかのぼるとし、同氏のコメントを引用しながら「日本人は非人間的なものにも魂があると考え、特別な愛着を持ってきた。アニミズムや神道を信仰し、木や石に魂があると考えた。例えばからくり人形はヨーロッパのぜんまい仕掛けをヒントに400年以上前に作製された。生きているかのような動きに人々が魅惑された」と説明している。

【初音ミク、海外進出をはたすがその将来性は】
 初音ミクの人気は日本国内にとどまらず、海外にも広がった。グローバルポストや米ニュースサイト『PolicyMic』によると、初音ミクはグーグル・トヨタ・ルイヴィトンのコマーシャル等に登場している。フェイスブックのフォロワーはメキシコが特に多い。さらに2011年ロスアンゼルスでのコンサートには5000人が参加し、160000人がオンライン上で視聴したと報じている。

 また米情報誌のハリウッド・リポーターは、初音ミクは日本国内では7年間オンライン上に登場し続け、昨年は英語による曲が加わり、国際舞台に躍り出たと紹介している。

 また同誌では初音ミクの将来性についても触れており、クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役の伊藤博之氏が「ミクムーブメントをさらに拡大し、確立するつもりだ。初音ミクで未来を創造する」と意気込みを語ったことを報道している。

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Text by NewSphere 編集部