ニッカウヰスキー、6年で輸出18倍 海外で高まる日本産ウイスキーへの評価

「世界ウイスキーアワード(WWA)2014」において、ニッカウヰスキーの『竹鶴17年ピュアモルト』が“ブレンデッドモルトウイスキー世界最優秀賞”を受賞した。このコンペティションは、イギリスの専門誌『ウイスキーマガジン』が毎年開催しているものだ。

【「日本のウイスキーの父」竹鶴政孝氏の夢が花開く】
 ニッカウヰスキーを創業したのは、「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝氏だ。氏をモデルにした“亀山政春”なる人物が登場するNHKの朝ドラが、今年10月から始まる。これによって、今後、同社への関心が高まると予想される。

 今回の受賞は、90年の歴史を持つ日本のウイスキー造りの一つの到達点を示す。しかし、波に乗っているのはニッカウヰスキーばかりではない。ここ10年ほど、日本のウイスキーは、世界でさまざまな賞の常連になっている、とCNNは伝えている。

 日本のウイスキー造りの最古参であるサントリーは、2013年のWWAにおいて、『響21年』で“ブレンデッドウイスキー世界最優秀賞”を受賞した。また、イギリスで毎年開催される「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」でも、『響21年』『響17年』『響12年』は2013年に金賞を獲得している。

【日本のウイスキーの味の評価は?】
 新しい味を求めるウイスキー愛好家たちが、これまでにない体験をしようとして、日本のウイスキーにますます頼るようになっている、という『ウイスキーマガジン』編集長のコメントを、CNNは紹介している。

 記事は、日本のウイスキーの味の傾向について、滑らかで、芳醇で、深みがある、という特徴を挙げている。スコッチよりも口当たりが良いため、女性客にも人気が高く、しかもストレートで味わっている、と香港のウイスキーバーのオーナーはコメントしている。また、スコッチほど古い年代物にこだわらなくても、十分に満足のいく質だ、と述べている。

【海外での入手性は?】
 ブルームバーグは、日本のウイスキーへの関心が高まっている理由の一つとして、それが「新しく、ユニークで、入手し難い」からだ、という流通関係者のコメントを紹介している。また、日本産の希少なウイスキーが高値で取引されるさまを伝えている。

 そのような希少なウイスキーに限らずとも、世界全体での売上に関して言えば、いまのところ、日本のウイスキーは“グラスの中の1滴”に過ぎない、とCNNは指摘する。だが輸出量は着実に伸びていて、ニッカの場合、2006年から2012年のあいだに輸出量が18倍にもなった、という。サントリーは2016年までに、海外輸出量を倍にするつもりである、とのことだ。

【日本のウイスキーの“聖地”巡礼へ】
 日本初のウイスキー蒸留所である大阪府のサントリー山崎蒸留所と、北海道にあるニッカの余市蒸留所を訪れたときの様子を、CNNの記事は詳しく伝えている。これらは日本のウイスキー造りの2大“聖地”と言える場所だ。どちらも、竹鶴政孝氏が創設に深く関わっている。

 蒸留所のある土地の風景の美しさや、土地の特色、工場見学ツアーの様子などを、詳しく紹介している。また、自分はこれまでいろいろ日本を旅してきたが、余市蒸留所のテイスティングルームで、雪に覆われた景色を窓から眺めながら、ウイスキーを試飲したのが、いままでで最高の経験だった、と記者は記している。そして、蒸留所でしか手に入らない、試飲できない貴重なウイスキーがある、とウイスキー好きの読者の心を刺激している。記事には、両蒸留所へのアクセス情報も添えられている。

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Text by NewSphere 編集部