“減反見直しでベトナム米にチャンス?” 日本との貿易拡大にベトナムが期待
ベトナムのニュースサイト「ベトナムネット」に、今後の日本、ベトナム間の経済の見通しに関する記事がいくつか掲載されている。それらによると、今後、両国間の経済活動は活発なものとなり、日本国内の諸政策、諸改革により、ベトナム経済は勢いを増す見通しであるという。
【2020年までに貿易額倍増】
在日ベトナム大使ドアン・スアン・フン氏は日本について、「近年、日本はODA、投資、貿易、労働力、慣行といった経済の様々な面における主要相手国の1つとなっている。2013年には、円の下落、そして日本とベトナムが直面している幾多の困難にも関わらず、ベトナムと日本の二国間貿易は約260億米ドルに達した。今後数年で500億米ドルに達するのも困難ではない」とコメント。日本市場については、「輸入品の質に対して非常に厳しい基準を持っている。食品では衛生や安全面に大変な注意を払っている。しかし、ベトナム製品が日本の要求を満たせば、容易に日本市場に参入していくことができ、日本はベトナムにとっての有益な市場となる」と述べた。2014年はさらに日本の各機関と協力し、日本への輸出を増加させていくとしている。
【「日本がコメ補助金を見直せばコメを輸出できる」?】
農業分野においても日本との関係強化が求められているようだ。ベトナムネットの記事は、「日本には高い技術力があり、ベトナムは気候、労働力の面で利点があるため、二国間の協力は有益なものになるであろう」と指摘。ベトナムのエコノミストは、日本からの投資を呼び込むための施策を取るよう、ベトナム政府に要請しているという。
また、日本政府のコメの補助金政策の見直しが、ベトナムにとってチャンスになるとの見方も存在する。ベトナムのエコノミスト、パム・チ・ラン氏は、日本政府がコメの補助金政策を廃止するならば、日本は国内需要を満たすため、輸入に頼ることになると予想している。また同氏は、日本政府が新たな方策を立てることで、日本企業はベトナムで、様々な種類の日本米を育てるため、ベトナム企業と協力することになるだろう、とも述べている。
【ベトナム産エビの輸出が増加】
一方、海産物については、今後ベトナムから日本へのエビの輸出が増加する見込みであるという。日本はベトナムの魚介類に使われる抗酸化の保存料、エトキシキンのMRL(農薬や動物用医薬品の残留量の国際基準)の規制を2012年に導入し、その結果、2012年から2013年の初めまでの間、ベトナムの日本へのエビ輸出は落ち込んでいた。しかし、日本の厚生労働省は先月21日、規制値を緩和することに同意。それにより今後、ベトナム産エビの日本への輸出が増加すると予想されている。