ハーバード大“大麻合法化の経済効果は87億ドル” 規制や裁判の費用も節約
コロラド州は全米で初めて個人使用目的の麻薬売買を合法化した。2014年1月1日から、21歳以上の成人は、医者の処方箋なしで、大麻を合法的に購入できるようになった。他の州においても麻薬を合法化する動きが広がっている。その原因を探ってみた。
【大麻合法化は財政危機を救う?】
アメリカの新聞モーニング・コール紙によると、コロラド州において、21歳以上の住民は大麻を一度に1オンス購入できる。一般的に、大麻の値段は8分の1オンスにつき30ドルである。コロラド州は大麻に29%の税を課している。
1月1日、個人使用目的の大麻の販売が開始され、販売額は100万ドル以上に上った。一週間で販売額は500万ドルに達した、とアメリカのサイトであるデイリー・ネブラスカンは報道している。大麻の合法化により、コロラド州には今年7,000万ドルの税収があるだろう、と州税務課は予想している。その内、4,000万ドルは教育に使われ、残りは大麻規制に当てられる予定である。
大麻の合法化により、税収が増加するだけでなく、麻薬規制の施行や裁判にかかる費用も節約できる。コロラド州の司法局によると、2012年と2013年、大麻を12オンス以上所持したとして起訴された犯罪者数は73%減少した。大麻の公共消費罪の起訴数は17%減少した。
ハーバード大学の調査によると、大麻の合法化は国家全体で87億ドルの財政節約になる。75万件近い大麻関係の逮捕者もゼロ近くまで減少すると同調査は予想している、とMSNのサイトは報道している。
国家および州の財政が圧迫されている中、税収増加の道を探る他州も大麻の合法化に踏み切るであろう。しかし、大麻は健康に有害であると懸念されてきた。大麻の危険性に関する賛否両論はいかに?
【大麻は飲酒より危険性が低い?】
オバマ大統領は、「大麻は悪徳で、時間を無駄にし、かつ健康にとって大変有害であるが、飲酒以上の危険はない」と述べた。オバマ大統領の発言は「ニューヨーカー」誌に1月27日に掲載予定である、とUSAトゥデイは報道した。
オバマ大統領に発言に対し、「とても危険である」とニューヨーク市の医療関係者は反論した。大麻が飲酒より安全である理由としてよく挙げられるのは、大麻を吸ってすぐに死ぬことはない。しかし、過剰な飲酒で死ぬことはある、というものだ。同医療関係者は、タバコを吸ってすぐに死ぬことはないからといって、タバコの危険性が薄まる訳ではないと指摘した。
デイリー・ネブラスカンによると、ハワイ州でも大麻の合法化の動きがある。日本人にとって観光のメッカと言える場所で今後大麻の個人使用が認められたら、「大麻観光」が広がる可能性がある。海外で大麻を使用しただけなら、帰国後も罪に問われることはない。しかし、日本国内では、大麻は法で厳しく制限されている。わずかでも大麻を持ち帰るなら、即逮捕である。